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たまには普通に虐めてみる。 「ゆ~ゆゆ~♪」 森を歩いているとゆっくりれいむを見かけた。どうやらえさを集めているようだ 花やらバッタやらを口の中に収めている。 「ゆう!こんなところだね!ゆっくりかえろうね!!」 そんなことをいいながらぴょんぴょん跳ねて移動するれいむ。 独り言の多いやつだなぁ。 そんなことを考えながら俺はれいむの後をこっそりつけていった ああ、ちなみに俺は虐待お兄さん。鬼ってほどじゃないけど虐待は大好きさ。 たまにゆっくりを蹴っていじめるとすっきりするよね。 「ゆ!!ただいまだよ!!」 そんなことをいいながら巣の中に入っていくれいむ。きちんと入り口を木片や草で隠すのも忘れない。 巣は少し膨らんだ地形の地面を掘って作られていた。おそらく自分で掘ったのだろう。 雑草で少々分かりにくいように出来ており、なかなかよい巣であった。 ゆっくりは木の根元に作ることが多いのだが、このゆっくり一家はそういうわけではないようだ。 俺は位置を確認するといったん家へと帰っていった。 しばらくしてスコップを持って、また巣のところに戻ってくる。 こっそり入り口を少し開けて声を聞く。 「ゆっ、ゆゆっ」 「ゆぎぃ!」 「はんてい、れいむのかち!!」 「ゆ~、おねえちゃんつよい~」 どたばたとする音と騒ぐ声。どうやら相撲をやってるようだ。 全員いるようだが…ゆっくりという名前なのにゆっくりしてねえな、こいつら。 俺は近くの土を掘り、それをまず入り口にかけて固める。 完全に固まったのを確認すると巣の屋根に当たると思われる部分を軽く掘ってスコップで叩いた。 「ゆ、なんだかおかしいよ!!」 「なんだかやねがくずれてくるよ!!」 「やねさんゆっくりしてね!!」 「みんな!!きけんだからだっしゅつするよ!!おかあさんについてきてね!!」 下から声がする。俺が土を叩いているので崩れだしたようだ。しかしこいつら声でけえな。 声を確認しながら大体の巣の形を把握。騒ぎながら移動するので結構楽である。 どんどん 「ゆゆ!!いりぐちがあかないよ!!」 「どうじでー!!」 「このままじゃゆっくりできないよ!!」 入り口辺りで騒ぎ出すゆっくり達。そしてその上を掘ってさらに恐怖をあおる俺。 そろそろかな 俺は入り口辺りの屋根の部分と思しき所を思いっきり踏みつけた。 「ぶぎぃ」 「ゆ」 一気に崩れる土。声的に親れいむ辺りがつぶれた音か。他にも一匹つぶれたようだ。 「おがーざんがあああぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!」 「おねーぢゃーーーーん!!!!!!!!!!!!」 その光景を見たのか叫ぶ子ゆっくり。よしよしいい感じだ。 「ここじゃあぶないよ!!さっきのへやにもどるーー!!」 「れいむももどるー!!」 「ゆっくりしたいよーー!!」 一気に崩れた光景をみたためか移動していく声。どうやら入り口から奥の部屋に戻ったようだ 普通なら掘り進んでも入り口にいるのが正しいのに…さすが餡子脳。 声が移動するのにあわせて地面を叩いて崩落させる俺。それほど厚くないので思ったより簡単だった。 「やめでーーーーー!!!!」 「やねさんゆっぐりじでね!!!!」 「ゆっぐりでぎないよ!!」 あるていど入り口を埋めた辺りでストップ。さすがに疲れた。 「ゆううう、やっとおさまったよ」 「やっとゆっくりできるよ」 「ゆっくりしようね」 どうやらゆっくりし始めた子ゆっくり達 さっき親が死んだのにもう忘れたのか しばらく休憩してからまた軽く屋根の部分を掘る。今度はゆっくりしてるからか子ゆっくりはきづいてないようだった。 だいぶ掘り進んだしこんなとこかな。 「せー…の!!」 ぼすんっ!! 『ゆびぃ!!』 思いっきり踏みつけると部屋の部分の屋根に当たるところが一気に大崩落を起こす その影響で全ての子ゆっくりが巻き込まれた。 「こりゃすげぇな」 崩壊した巣から這い出しながらそんな感想をもらす。 苦労して掘った巣がこうやって一気に壊されるとはゆっくりも思わなかっただろう。 「あー、でも結構重労働だったわりにはあんまり苦しめられなかったか…」 疲労感から近くの地面にねっころがる。 さすがに二度とやる気は起きそうになかった。 ~~~~~~ 思いついて一気に書き上げた作品です。 人間に従うゆっくりの群れネタを書いてたら、スレで協定話が盛り上がってたらしく それ関係のネタがたくさん出てきて結構かぶってしまうという状態に もう少し早く書き上げればよかった ゆっくりした結果がこれだよ!! 過去作品 巨大(ry 餌やり ゆっくり対策 巨大まりさ襲来 このSSに感想を付ける
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まえがきという名の弁解 ゆっくりを全然いじめてない上につまらないです 後半と前半でテンションがまるで違います ゆっくりらしい台詞はほとんど出てきません 一応ドスものです それでも構わんという心の広い人だけ読んでね 見ただけで気が触れそうな満月の夜。 人も近づかない、近づけないような森の奥深くを、ゆっくりと丸い巨体が進んでいく。 そのまん丸い巨体の頭頂部にのった巨大な黒いとんがり帽子。 ドスまりさだ。 しかし彼女はどうやら普通のドスとは様子が違った。まず髪に信頼の証の飾りがなく、 いつでも楽しそうなゆっくりと違い、一言も喋らず、やや物憂げな顔で歩みを進めている。 帽子の中にいくばくかの必需品はあるが、他のゆっくりなど一匹も入っていない。 このドスは他のゆっくりから信頼されていないのか? いや、違う。どのドスよりもこのドスは信頼されていたし、このドスもそれを自覚していた。 だからこそ、権威をふりかざすような真似に必要性を見出せず、飾りをつけようとするゆっくりをやんわりと断っていた。 帽子の中に他のゆっくりを格納しないのも、他のみんなに自分に守られるだけの存在になってほしくなかったからだ。 このドスはかなりの過酷な経験をしてきた。普通のゆっくりの時も、壮絶な生を生き抜き、ドスになれた。 ドスになり、群れを作った。その頃は飾りもつけ、帽子の中にゆっくりを入れて運んだり、遊んでやり、普通の標準的なドスだった。 いつまでも群れの幸せが続くと思っていた。しかし、それは間違いで。 やはり標準的なドスの群れのように、群れはゆっくり崩壊に近づき、やがて自分だけが生き残る。 生き残り、また群れを作った。また崩壊させた。 ある時は人間に騙され、ある時は反乱勢力が台頭し、ある時は自分たちを捕食するものに襲われ、ある時は… そうした繰り返しの中、幾度も守るべきものを奪われ、それでも崩壊しそうな理性をつなぎ留め、歯を食いしばり、目から餡子を流しながらこのドスは生きてきた。 そうしてようやく気づいた、自分がゆっくりを守るだけでは駄目なのだと。 己を己が守れるようにしてやり、自分はそれを精いっぱい手助けする。それこそが崩壊を防ぎ、群れを長続きさせる最善なのだ。 強烈な一つの個ではなく、小さな個を集めて強大な一つとする。それがこのドスのたどり着いた結論。 そのための群れの掟や、制度、システムを、実験を繰り返しながら練り上げた。 その途中で、人間という存在は自分たちと切り離された。彼らとは、出来るだけ関わらない方がいい。 そして、人間も滅多に入り込まぬ森に居住区を移した。 リスクはあった。外敵の存在、人すらあまり手をつけない自然環境。 しかし、それは普通のゆっくりに限った話。このドスになら、人間を含む、大抵の外敵は相手にならなかったし。 多少の危険な場所も、乗り越えていく強靭さがあった。 そしてその場所の下見を存分に終え、普通のゆっくり視点での対処法や生活方法を編み出し。 それを根気よく教育した。教育し、そして多少の手助けはするものの、決して全面的に支援することはなかった。 巣はあくまで自分たちで個別に作らせた。ドスを中心とした一つの巣は、ドスに対する甘えを呼ぶ。 そして自分たちで開拓させることにより、自分たちはこの環境に勝てるという意識を植え付ける。 普通のゆっくりでは無理だろうと思えるようなことだけは手伝ったが、他の事は一切手伝わなかった、指示も出さなかった。 それは普通のゆっくりなら、群れのボスとしての仕事を放棄した怠慢だと思ったかもしれない。 事実そう思ったゆっくりもおり、公然とドスを批判する者もあった。 「ドスはなんでまりさたちをてつだってくれないんだぜ!?みんなでたすけあってこそのむれだぜ!」 だがドスはそんな意見には取り合わず 「不満があるなら出て行っていいよ、ここよりゆっくり出来ると思うところがあるなら」 その言葉に憤慨し、出て行ったゆっくりも少なくない。だがドスは気にしなかった、残ってくれたものがいるのだ。 しかし、中には多くのゆっくりを言葉巧みに扇動し、少しでも大きな群れにして出ていこうとするものもいた。 そういうゆっくりだけは、秘密裏にドスは殺した。 普通のドスは群れのゆっくり、いやすべてのゆっくりの命に対して強い執着と保護心を持つものである。 まれにドゲスという命をなんとも思わないものもいる。 しかしこのドスは、あまりに多くの死に触れたため、すでにこのどちらでもない精神をもっていた。 自分はこの弱きもの達の圧倒的上位にいるのだから、管理せねばならない。 それは、動物の生息地をなるべく自然の状態で保護する研究者や、植物などを植え育て、森などを作る人間のようなそれであった。 管理者。そう、自分は群れのリーダーではない、管理者だ。 群れを崩壊に導きそうな悪い芽は潰す。そこには命を奪う快感も、罪悪感も、後悔も、何もなかった。 慈悲もなく、許容もない。 次に食べられる植物や生物などの教育を終え、ある程度生活環境が整い始めたら、外敵に対する対処を教え始めた。 いや、それは教えなどではなく、訓練であった。 狩りに出向ける個体に、ゆっくりでも協力すれば倒せる外敵に対しての戦闘方法を訓練させた。 チームワークを教え、何度も仮想敵に対する訓練を行う。 そのハードすぎる訓練に、脱落するゆっくりも少なくなかった。 その中で、本当についていけなかったものは訓練をやめさせ、別の仕事につかせることにした。 そういうゆっくりは元来こういう仕事に向いていないものなのだ。なので、子守や安全な地域の植物採取などを行わせる。 中には、ダルイ、ゆっくりできないなどの理由で訓練を放棄するものもいた。 その中で本当に疲れたふりをして訓練を抜けようとするやつは、戻らせて徹底的にしごいた後に、他の狩りゆっくりに命令を下す指揮官の教育を施す。 単純にゆっくりできないから反抗しているものは、大半は軽めの体罰をつけて戻らせた。 中にはそれに対してすら徹底的に反抗するものもおり、そういうものは群れから出てもらった。 ここでの振り分けはこうだった。まず普通に訓練を続けるゆっくり、こいつらは特に問題もない普通の狩りゆっくりになるだろう。 次に騙してサボろうとするゆっくり、こいつらは多少知恵の回る奴らだということで、生き残るためなら存分に知恵をしぼりだすだろう。 次に反抗するゆっくり、体罰を受けて戻るなら、それは自分本位ながらも多少の状況は判断できるということだ、どうにもならない状況なら自分のためにがむしゃらに生き残ろうとするだろう。 そして最後まで反抗したゆっくり、そこまで嫌ならこいつらの性根はそれまでである、頭も回らず自分の嫌なことにただ拒否するだけ。こういうのは危険にあっても状況がわからず、みじめに叫んで死ぬだけだ。 そうしてゆっくりをふるい分け、最終的な訓練卒業として外敵との実戦に移ってもらう。ある数の部隊にわけ、一つずつこれを行った。 この時、ドスは後ろでその光景を眺めていた。 戦闘が始まり、ある部隊は快勝を続けた。ある部隊は窮地におちいる。その中で、自分たちで奮起し、何とか勝利をおさめる部隊もあった。ある部隊は後ろで見ているドスに助けを求めた。 だがドスはどれだけ助けを請われようと、どれだけ惨たらしく群れの仲間が目の前で殺されようと、決して手を出さなかった。 ある部隊はドスが絶対に自分を助けてくれないだろうことに途中で気づき、絶望的ながら辛くも勝利をおさめた。ある部隊は最後までドスに助けを求めながら全滅した。 実戦が終わると、ドスは部隊の成績によって役割を与えた。前線で狩りをする部隊、狩りをしながらその部隊を護衛する部隊、居住区に残り守る部隊。 それはあたかも人間の軍隊のようであった。 中には教育や訓練をドスが任せるゆっくりもいた。いつまでも自分がやるわけにはいかないのだ。 そうして狩りの教育を終え、食糧が潤沢になってきたところで、食糧制度に手をつけた。 本来ゆっくりは冬以外に食べ物をため込むことはない、取ったら取っただけ、食べられるだけ食べる。 そして普通のドスの群れはそういう事態を憂い、食糧を一か所に集め、管理し、食べない分を非常用として保管する。 だが、それが一部のゆっくりの不満や懐疑を招き、結局反発され、群れが崩壊した例も少なくない。 では、どうするか。ドスはこれに大いに悩んだ、何せ食糧管理は反発を招く恐れもあるが、食料供給の安定した維持にこれ以上の手段はない。 そこでドスは食糧管理の仕事をわけることした。 つまり、食糧を集めるゆっくり達、集められた食糧の量を管理するゆっくり達、その食料の量を聞き分配するゆっくり達。 これによって相互をある種の緊張状態にし、互いに監視させ、一部の独走を阻止しようとしたのだ。 すなわち、食糧調達部隊は、その食料を献上しなければ、食糧管理部隊にすぐさま疑われる。 次に食糧管理部隊は、その食料を正確に管理しなければ、分配部隊に疑われる。 そして分配部隊は、それを正確に分配しなければ、たちまち分配される皆から疑われる。 多少の歪みは出るかもしれないが、致命的な崩壊には繋がりにくいとして、ドスはこの方法を選んだ。 そして、管理、分配の仕事はなるべく頭の良く、公平性があって信頼されているゆっくりでなければならない。 故にこの仕事につくゆっくりを、ドスは皆の推薦による選出と投票で選ぶことにし、もし選ばれたゆっくりに不満があるならば、一定数の投票で辞めさせられることにした。 そしてさらに、一定のサイクルで浄化するために、ある期限ごとに管理分配の仕事につくゆっくりを全員一旦やめさせ、もう一度選びなおす制度も導入した。 それはゆっくりによって形成された、未熟な政治制度のようなものであった。 ドスはゆっくりと色んな制度を導入し、根気よく教え込んだ。 そしてドスの手を借りずにそれが運営されていくようになると、後は全てを任せて手を引いた。 群れの運営がスムーズになり始めてから、遠くの地からドスが直接頼み込み、ゆうかりんを連れてきて農耕制度を作った。 さらに月日が流れ、世代交代にさしかかる頃には、教育制度を狩りの教育や、管理分配の教育、農耕の教育などにわけ、色んな仕事を選べるようにした。 すでに自分の手をほぼ離れて歩いて行く群れをゆっくり眺めながら、ドスは満足していた。 ようやく、自分の理想郷を作ることが出来た、と。ゆっくりがゆっくり暮らしていける理想郷を……。 そこはまさにゆっくり郷とも呼べるものであった。 だが最後に一つだけ、ドスは群れの中で自分だけが行う仕事を持っていた。 すなわち、罪を犯したゆっくりに対する、裁きと罰の執行を……。 夜の下を行くドスが、ある巣の前で止まった。 目的地だ。 その巣の中から、悲鳴のような声と耳が腐るような嬌声が聞こえてきている。 ドスがため息をつく、が、それには何の感情もこめられていなかった。 そしてゆっくりと、気づかれないように中を覗き込んだ。 中には一匹のゆっくりまりさとゆっくりアリス、そしてゆっくりれいむの親子がいた。 だがれいむ親子の様子はおかしい、親と比較的大きいれいむは動けないように痛めつけられ。 まだ交尾に耐えられないと思われる小さなれいむは、アリスによる一方的な性的暴行を受けていた。 「いやあああああああやめじぇええええええいじゃいよおおおお!!!」 「はぁっ!はぁっ!いやぁぁぁぁんかわいいいぃぃやっぱり犯すならちっちゃいゆっくりだわぁぁぁ!!」 親や他のれいむは涙を流しながら「やめてぇ…」「こどもだけはたすけて…」などと弱々しい声で呻いている。 「ゆっへへへ、やっぱりアリスのこうびをつまみにたべるのはさいこうだぜ!!」 そしてまりさはその隙に巣にあった食料をむーしゃむーしゃと食べていた。 押し込み強盗である。 実はこの二匹、最近この郷では有名な犯罪ゆっくりであり、すでに二件の被害報告が届けられている。 どの一家も無残に惨殺され、巣を荒らされていた。 さっき言ったように、ドスはゆっくりに対する裁きを行ってはいたが、それは普通のゆっくりには手に負えないと思われるものだけであった。 このドスの郷には、警察のような役割をもつゆっくりも、裁判もちゃんと存在する。 だがそれでは立ち行かないものがある……。法の手をすり抜け、悪事を続けるゆっくりは後を絶たなかった。 そんなゆっくりを、ドスは心底憎んだ。自分の作ったこの郷を、荒らすものだけは絶対に許さなかった。 ギリギリまで事件解決を見守っていたが、一向にゆっくり郷の警察ゆっくりでは犯人が捕まりそうな様子はない。 長く生きた知恵か、この二匹が次にどこで犯行をするかを予測したドスは、自分だけで制裁を加えるために動いた。 ドスは中の様子を確認した後、そこに向かって「出て来い」とだけ、ただ一言だけ言った。 それだけで十分だった。 色の変わらない体表が本当に青くなるんじゃないかというような顔をして出てきた二匹は、 ドスにすがりつき、必死に言い訳を始め、媚びへつらった。 「ゆるしてほしいんだぜ!まりさたちのいえにはたべものがたりなかったんだぜ!」 「そうなのよ!ついでにすっきりできるゆっくりもたりなかったわ!」 「ゆっ!これはきっとかんりふやぶんぱいふのやつらがわるいんだぜ!」 「そうよ!そうよ!それにどすといえどもむれのゆっくりをころしたりはしないわよね?」 「そうだぜまりさたちはなかまのはずだぜ!ゆるすべきなんだぜ!」 それは聴くに堪えない理屈だったが、ドスはしゃべり終えるまでじっと押し黙ったままであった。 そして何の反応も返さないドスに二人が不思議がっていると、ドスがようやく口を開いた。 「死ね」 そのまま開いた口から溢れる光が、二匹の見た最後の光景だった。 その二匹だけを焼き尽くすために威力を調節したドスパークの照射が終わると、ドスは巣の中に話しかけた。 「大丈夫、れいむ?動ける?」 「ゆぅ…なんとかうごけるよ…」 弱々しいながらも返事が返ってきて、しばらくしてから親れいむの三匹の子供がよろよろと這い出てきた。 「今から病院の方に行って、治療を受けるといいよ。まだ開けとくように言っておいたし、警察もそこに待機させてあるから、事情を説明して」 ドスがそう言うと、口の中に弱った子供を入れているのか、親れいむ達はうなずいてずりずりと這って行った。 れいむ達が行ってから、ドスは大きくため息をついた。 あきれしか出てこない。悪事を犯して、悪びれもせず許しを乞うあの二人。 驚くことにあれが普通のゆっくりなのだ。 わかっている、この郷のゆっくりは、もはや普通ではない。 人間のまねごとのようなものだが、決まり事を順守して生活を営むなど、昔では考えられなかった。 いや、今でも普通のゆっくりには考えられないだろう……。 何で自分たちはこうなんだ。なぜゆっくりは……。 知らず、月を眺める。 最近月を眺めていると、なんだか体の底から力が湧いてくるのだ。 これを活力にして、明日からも頑張ろう。 そう思っていた矢先である。 「はぁい」 それは、何もない空間を割いて、ぬるりと現れた。 妖しく光る髪と、鮮やかな紫の衣装艶めかしく。 「こんばんわ」 絡みつくような声を発し、出てきた裂け目に腰かけていた。 ドスは一瞬で敵だと判断した、それも自分でしか対応できないような。 「あんた誰だ?」 警戒しか含まない問いに、女は目をにこやかに細めると、 「やだ怖い」 口も吊り上げ、 「怖いから」 細めた目を開いて、 「私も怖くなっちゃおうかしら」 その場の何もかもが一変する。 肌を刺した空気で、一瞬で支配された場の雰囲気で、勝てない相手だとわかった。 ドスはため息をついた。このような相手がいつか来ることは、前々から何となくわかっていた。 自分が作った郷は、異常だ。考えの回るこのドスの目は、他の視点から自分達を見ることもできた。 こんなものは、人間からしたら恐怖でしかない。 わかっていた、でもやらずにはおれなかった。なぜ人間に許されることが、ゆっくりには許されないのか。 だから、それでも。 「ここを……潰しにきた?」 ほぼ諦観と、疑問を少しだけ含ませて問う。 人間の上位の存在、人を守るもの、調停者。この郷に対する自分のようなものが人間にも存在すること、それは容易に想像できる。 それが目の前のこの女なのだろう。 女は少しだけ意外そうな顔をすると、すぐに首を横にふった。 「まさか」 そして片手に持った扇子で口を隠し、 「でも、予想以上。そんな考えもできるのね」 そこから出る感情を見せないように呟いた。 「なら何を?」 今度は疑問だけで問うと、 「話をしに」 そう言って、今度は優しく微笑んだ。少し、安心できる笑顔だった。 女は隙間から地面に降り立つと、ドスと向かい合うように座り込む。 「そうね、じゃあまず最初、あなたはゆっくりって何だと思う?」 ようやく話し合いの場が整って、女は最初にそう問うた。 「……」 ドスは難しいと感じた。自分の存在は何だと問われているのだ、何と答えるか……。 「まぁ、難しいわよね。逆の立場なら私も言葉を濁す……一般的な定義を私が言いますわ」 女は返答を待たずつらつらと、 「そうね、饅頭の体を持ち、人語を操り、畑や民家を荒らす頭の悪い汚い野生生物……これが一般的なゆっくり」 挑発するようなその物言いだが、ドスは何も言い返さなかった。 「あら、怒らないのね」 「大方その通りではあるよ」 そう、と女は呟き、 「でも、それは悪いことではないわ。むしろ野生生物の本懐。これより傲慢で、危険で、自分本位な生き物はたくさんいるわ。人間だってそう」 そして、 「普通のゆっくりなら、先の発言には醜く憤慨すべき。それがゆっくりの在り方」 ドスは驚いて女を見つめた。この女は人間に嫌われるゆっくりの性質を何と言った? 「そう在るべきと言いました。多少の程度はあれど、ゆっくりがゆっくりらしく生きること、それこそがゆっくりの在るべき理由」 謳うように続ける、 「憎まれることも、慈しまれることも、虐められることも、世話されることも、全てがこの世界におけるゆっくりの在り方」 理解できない、いや、理解したくない。この女が真顔で今述べていること、それは。 「じゃあ、いつもどこかで繰り返されている、ゆっくりの悲劇……その全てが」 「そう、ゆっくりの生きる理由」 そのためにゆっくりは生きている。 「人間の……ために……」 女はふう、と息をつくと、 「ゆっくりの理由……ここまではいいかしら?」 衝撃から、ドスはまだ立ち直れなかった。 自分たちは言うなれば、人間のおもちゃとして生まれてきたのだ。それが自分たちの本来の在り方なのだと。 「あなた達はおよそ自然環境のどの役割も担っていないのですもの、そうとしか言えないわ……まぁ、これ以上ゆっくりについて議論する気はございません」 女はまだ話を続ける、 「そして次、次はあなた。あなたは果たして……」 あなたは、ゆっくり? 「!?」 問われた。自分はゆっくりか?当然だ、でなければ自分はなんなんだ。 「当たり前だ!」 声が荒れる。 「……あなた、自分を何て呼ぶ?」 女は少し息をついて、 「私……」 「その呼び方はいつから?なぜ?」 「いつからかは覚えていない。何故かは……この方が、らしいと思った」 「普通のゆっくりは、絶対に自分をそんな呼び方はしない」 心にザクリと矢が撃たれた、 「普通のゆっくりは、そんな言葉づかいもしない」 二発目。 「あなた、ゆっくり出来てる?」 「出来てるよ。毎日、郷の管理で、みんなの生活を見守るのが私のゆっくりだ」 「それはゆっくりじゃないわね」 「違う!それが……!」 「他人のための行為はゆっくりではない、ゆっくりの価値観に照らし合わせるならね」 三発目。 「御希望なら、この他にも理由を計上してあげましょうか?子供でも指摘できるものがまだまだあるわ」 荒々しく首を振った。三発。たった三発で、ドスの脳は理解した。 「……私を否定して、何が楽しいの?」 問いは、悲しみと怒り。 「……そうねぇ。あなたはゆっくりの在り方を外れている、ここまではいい?じゃあ次は、人間とゆっくり以外のもう一つの種族の話」 答えず、女は話を進める。 「妖怪の話」 「あなたは妖怪を知ってる?」 「……とても強い生き物。ゆっくりよりも、人間よりも」 投げやり気味にドスは答えた。 「正解。じゃあ、妖怪の種類。そこまではあなたも知らないわよね」 「……?」 女は師が生徒に教えを説くように話し始めた。 「まず、私は妖怪。わかるわね?」 「へぇ……」 ここに来て初めて女の正体が明かされたが、別段驚かなかった。 「私は同族もない、どうやって生まれたかも秘密のワンオフ妖怪よ。こういうのはそれほど数もいないの、さびしいわ」 女は泣き真似の仕草をしたが、ドスは冷やかな視線でそれを見ていた。 「いやん、ツッコミが欲しかったのに……まぁ、気を取り直して次」 女は小芝居をやめると話を再開する。 「次はメジャーな種族に属する妖怪。鬼、天狗、河童、吸血鬼……こういうのは結構な同族がいて、蛮行が広く知られているからカテゴライズされている」 「名前だけは何となく聞いたことあるよ。湖の館……妖怪の山……」 「大正解。ゆっくりにまで知れ渡っているなんて、中々……いや、あなただけでしょうねきっと」 「?」 「なんでもないわ、続けましょ」 女はコホンと小さな咳をすると、 「次は妖獣、これは強大な力を持った獣が、それ故にその生き物の枠を離れて妖怪になってしまったもの」 「動物が?」 「私の式達もこれね、竹林の兎達もそう。これが幻想郷には中々多い……自然が残ったままだからかしら」 ここで女は教鞭を振るう笑顔から、真顔に戻った。 「そう、人間を超える力を持って、その生物の寿命を超えた長い時間を生き、ついにはその定義から弾かれる……」 ドスも気づいた。いや、それはかつて、ドスだったもの。 「まるであなたのことね」 「違う……」 否定する声は、聞き取りがたいくらいにか細い。 「あなたはもう普通の人間より遥かに強いわね」 「違う……」 「あなたは今で何年生きた?普通のゆっくりの寿命は平均五年、巨大種なら十年ってとこかしら」 女は辺りを見回し、 「この郷、ここまでするのに少なくとも十年以上はいるわよね」 「違う……」 「定義から外れる、これはさっき散々説明したから言うまでもないわね」 「違う!!」 違う、違う。私は、私は…… 「あなたは、妖怪よ」 「正確にはゆっくりと妖怪の境界線……その上に今のあなたはいるわ」 その言葉に、うつむいていたドスは少しだけ期待をこめて見上げた。 「でも、その境界がゆっくりに傾くことは決してない」 絶望を、女は吐く。 「これからあなたは、ゆっくりと妖怪になっていく……いや、今でも弱い妖怪程度ならいい勝負をするでしょうね」 「……」 妖怪は応えなかった。もう何も応える気もなかった。 「ゆっくりが、この幻想郷に誕生してもう何年経ったのかしら……そろそろだとは思っていたけれど、私が見つけたのはあなたが初めてよ」 女は、満月の空を見上げ、 「永琳に改造されたわけでもなく、自然に生まれ、自然に生きてきたあなた。ここまでの生、私は敬意を表します」 そして、再びその妖怪へ視線を向けると、 「そして、幻想郷はあなたを受け入れます」 「……そう」 妖怪も女を見つめ、ただそれだけを呟いた。 女が軽く扇子を振ると、空間の隙間は再び開いた。ゆったりと浮き上がりその中に下半身を入れる。 「では、ごきげんよう。これからあなたがどんな選択をして、どう生きるのか。少しだけ楽しみにしてますわ」 上半身だけを出してそう言った後、女は隙間に消え、何事もなかったかのように閉じて元に戻った。 後には月を見つめる妖怪だけが残された。 それから、ゆっくりの郷からドスは姿を消した。 ゆっくり達は思った、ドスがついにすべてを自分たちに任せてくれたのだ、と。 ドスが、自分たちで何かが成せるようになると、必ず身を引いたのをゆっくり達は世代が代わっても覚えていた。 その郷の歴史に、偉大なるドスの名が刻まれ。 後にはゆっくりと続いていくだろう、理想郷だけが残された。 あとがきという名の言い訳 今回はゆっくりいじめ作品としては駄作極まりないと思われる本作を読んでいただきありがとうございます。 ゆっくりいじめに憧れていました。色んな作品を読み、深く感銘を受けました。 自分もこんな作品を書いてみたい、彼の憎き饅頭を虐め抜きたい、そう強く願い、ようやく実行に移った次第ではありますが 出来上がったのはこんなものでした。皆さんのような、加虐心に油をドンドコ注ぐゆっくり語や、醜い物言い、くさった饅頭心。 何もかも自分の実力では描けない、難しいものでした。才能のなさが恥ずかしいです。修行の足りなさを実感しました。 まあ自虐はこれまでにして、本編の補足です。 今回のゆっくりの生活制度はまったく人間のそれのパクリです、そして世界はこんなに簡単ではありません。多分。 本当はドスに反発して「ゆ゙っぐり゙でぎな゙い゙い゙い゙い゙!!」と叫ぶゆっくりの描写をふんだんに取り入れてみたかったのですが、どうにも力不足でした。 後半の会話にいたっては雰囲気がまったく前半と違ってしまい申し訳ないです。これではただの東方SSです。本当に(ry それにしても、ドスはこれほどまでにならなくても、人間を殺せる時点で十分妖怪だと僕は思いました。 最後に、こんな作品とやたら長い言い訳を最後まで読んでくれた方にもう一度お礼を。また修行して今度は上手く書けるように目指したいです。それでは。 このSSに感想を付ける
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その日は縁日だった、何気なく立ち寄ったゆっくり屋で、私は子ゆっくりを買うことにした 子ゆっくりはテニスボールくらいの大きさで、みんな元気に跳ね回っていた 私は隅っこにいた、ゆっくりれいむを一匹買うことにしたのだが 「いやだよ!まりさとはなれたくないよ!」 「そうだよ!まりさはれいむといっしょにいたいよ!」 などと、野良ゆっくりだった頃の友達だろうか?れいむを連れて行こうとする私にまりさが抗議をする 怒ったテキ屋の兄ちゃんが、ゆっくり棒で軽く殴るが連れて行かせまいと、れいむの前に立って体を膨らませて威嚇している ゆっくりの美しき友情に心底感動した私は、当初の予定を変更して、この仲の良いゆっくり達を全て買い取ることにした 「一匹飼うのも二匹飼うのもそう変わりません、仲の良い友達同士、離れ離れにするのは酷なことですからね、二匹とも買い取りましょう」 「そうか、いやぁ~すみませんね、お兄さん」 仲間と離れ離れにならず、みんなで一緒にいられると聞くとゆっくり達はとても喜んでくれた 「ゆゆ~!ありがとうおにーさん!」 「まりさたちをゆっくりかわいがってね!」 君達を可愛がる?そんな事をする気は毛頭無い こうして二匹のゆっくりを購入した後、途中で射的をしたり、綿飴やりんご飴を買ったりして家路についた 道中、ゆっくり達は歌を歌ったり、仲間と一緒にとび跳ねたりして楽しそうにしていた 見ていると本当に心がなごむ、愛らしい姿なんだろう、最も私には不快にしか映らないが お腹がすいたというので千切った綿飴を少しあげると、喜んで食べてくれた 「おにいさんはゆっくりできるひとだね!れいむとってもゆっくりできるよ!」 「おいしいおかしだね!とってもおいしいよ!」 普通のゆっくり達ならお菓子を奪い合ったり、喧嘩をするが、このゆっくり達は平等に綿飴を分け合って食べている ゆっくり達の顔はどれも名前の通り、安心しきった、ゆっくりとした表情をしていた あぁ、早くこの顔を絶望に歪ませたい 家に着くと、ゆっくり達はさそっくお家宣言を始めるゆっくり達 「おっきなおうちだね!れいむたちのゆっくりプレイスにするよ!」 「まりさたちにぴったりのおうちだね!」 家に入るとすぐに自分たちのお家宣言をする、これはゆっくりの悪い癖だ、このセリフのせいで虐待されたゆっくりはどれだけ居るのだろうか? ともかく玄関先で騒がれては近所迷惑になってしまう、私はゆっくり虐待用の部屋にゆっくり達を連れていき、籠から出してやる ゆっくり達は無邪気に飛び跳ねながら楽しそうにしている虐待し甲斐のあるゆっくり達だ 「おにいさん!おなかへったよ!」 「ごはんをもってきたらまりさたちのおうちでゆっくりしてもいいよ!」 何がおなか減っただ、身の程をわきまえないとひどい目にあうということを教え込んでやる 楽しそうに飛び跳ねているれいむの髪を掴んで、乱暴に持ち上げる 「いっ!いたいよおにいさんゆっくりおろしてね!」 痛みに顔をしかめながら、れいむは私をぷくーと膨れて睨みつけてくる お友達が痛い目に逢っているのを見るなり、まりさもぷくーと膨れて怒っている 「おにいさん!れいむのかみをつかむのやめてあげて!」 友達が痛い目にあうと、自分のことのように怒る、良い子だな本当に、だからこそ痛めつける 「ははは、すまないね僕は良いゆっくりにも、悪いゆっくりにもとても厳しいお兄さんなんだ 特にこのれいむは心の汚れた悪いゆっくりだから、特別痛めつけてやるんだよ」 私の滅茶苦茶な説明を聞くなり、れいむは涙声で反論する 「ひどいよ!ひどいよ!れいむはいいゆっくりだよ!」 うるさいゆっくりだ、お仕置きが必要だな、私は素早くポケットから縫い針を取り出すとれいむの後頭部に軽く突き刺す もちろん、これで殺すわけではないあくまで浅く突き刺す、しかしれいむにはとても痛かったようだ 「ゆ゛っ゛!いだぁい!」 れいむの声がうるさいので、泣きわめくれいむにゆっくり用の猿轡をつけると、加工所のベストセラー商品、透明な箱に入れる ちなみに、この透明な箱の底には薄く水が張っておいた、少しでもゆっくりに不快な気分になってもらうための一工夫だ 中でれいむはふごふご言っているが無視 まりさはれいむを傷つけた私に向って怒鳴り始めた 「ひどいよおにいさん!まりさたちのおうちからでていってね!」 馬鹿なゆっくりだな、ここは先祖代代受け継いできた家だ、貴様らの家だと笑わせるな 「ここが君のうち?馬鹿言わないでくれ、先祖代代受け継いできた家なんだぜ 君みたいな身の程知らずの馬鹿には死ぬまで苦しんでもらうよ」 私はまりさの帽子を取り上げると、まりさの頭を針で何度も突き刺す 「ゆゆっ!いだいおにーさんやめて!やめて!」 まりさは針から逃げようと右往左往逃げ回る、愉快な奴だ 軽く蹴り飛ばすと「グッびゅ!」と鳴きながら転がっていく 箱の中でれいむがまたふごふご言いだした、大事なお友達が痛めつけられるのをよく見とけ、ボケが 痛みで動けないまりさをれいむと同じ様に、透明な箱に入れる そして、箱の中に河童印の唐辛子スプレーを吹きかける 「ゆぎゅっ゛つ゛!い゛だぁ!」 体中に焼けるような痛みを感じて、鼻水と涙を流しながらまりさは悶え苦しむまりさ 苦し紛れに飛び跳ねているから、透明な箱中に鼻水や涙が飛び散っている、汚いゆっくりだ さて、少し運動もしたし腹が減った夕食にでもしよう 私は虐待部屋から出るとすぐ、食事を始めた 炊き立てのご飯に昨日のカレーの残りと温泉卵を乗っける、独り身だと夕食なんたこんなもんだ 食べ終わるとすぐに私はゆっくり虐待部屋に向かう 食事の間中も頭の中はゆっくりを痛めつけることで一杯だった、こんな私は巷で話題のゆっくり虐待脳なのだろうか? 私は虐待部屋に戻ると、透明な箱に入っていたれいむとまりさを乱暴に引きづり出した れいむは箱から出るなり私に体当たりをしようとする、しかし、長い間底部が水に浸かっていたせいか、ふやけてうまく跳ねれない かといって、罵詈雑言を吐こうにも猿轡を噛んでいてはそれも叶わない、結局膨らむだけにしたようだ 一方まりさはさっきのスプレーでのどを痛めたのか、しきりに咳をしている ざまぁみろゴミ虫め 「君達も疲れているだろう、このダンボールの中で寝なさい」 出来るだけ優しく言ってやったが 「ん~!んんむんむ~!」 「おにいさんのいうことなんかきかないよ!とっとときえてね!」 だそうだ、人の好意も素直に受け取れない糞ゆっくりは…こうだ! 二匹の髪を掴むと、ダンボールの中に手加減して叩きつける 「ゆ゛っ!ひどいよおにーさん!」 「ん゛ん゛んぅ!ん゛~む゛ぅん!」 「ゆっくりできてないよ!れいむだいじょうぶ!れいむ!」 まりさは体が少しへこむ程度で済んだが、れいむは違った 水を吸ってふやけていた底部が破けて、餡子が滲み出できている 痛みに身をよじって体を揺らしている、おおきもい、きもい こんなに痛がるなら猿轡を外してからやればよかった、そうすればれいむの苦しむ声をたっぷり聴くことができたのに 少し軽はずみな行為をしてしまった事を恥じながら、れいむの猿轡を外す 「ゆ゛ぅえ゛っぐ…ひ゛っぐれ~むのあしが!」 「おちついて!ゆっくりなおるからおちついてね!」 「ゆっぐ…ひっ…ぐ…ゆっゆ」 「おちついて!だいじょうぶだよれいむ!」 ゆっくりにとっての足の部分が破けたショックで、過呼吸気味のれいむを落ち着かせようと、まりさが頬擦りを始めた 頬擦りはゆっくり達の友愛の証でこれをする方もされる方もゆっくりできるらしい しかし、私に貴様らをゆっくりさせる気は全く無い ゆっくり共の入ったダンボールを持ち上げると、上下左右に素早く小刻みに揺らす 中のゆっくり達はピンポン玉のように、あっちに飛んだりこっちに飛んだりして、ダンボールにぶつかる度に悲鳴を上げているいる これなら、ゆっくりピンボールとか作ったら売れそうだな 「じしんだよ!こわいよいやだよ!」 「いだいよ!いだっひぅあしがいっだいよぉ!」 まりさは地震と勘違いしてしまったようだ、眼を固くつぶって震えながら転がっている、馬鹿な奴だな れいむの方は揺れて転がることで傷口がどんどん広がっている、漏れ出す餡子の量も多くなってきている ここで殺すのもありだが、もう少し生かしてやることにした ダンボールから二匹を出すと、まりさが私に泣きついてきた 「おにーさん!このままじゃれいむがしんじゃうよ!いままでのことゆるしてあげるかられいむをなおして!」 「まりさだけでもにげて!このままじゃまりさがゆっくりできなくなるよ!」 「れいむはだまっててね!まりさはれいむといっしょじゃなきゃゆっくりできないよ!」 この言葉には普通の人なら感動するだろうが、私には骨の髄までゆっくり虐待の血が流れている どんな感動的なことをしたとしても、それがゆっくりなら虐待するまでだ 「なるほど、まりさはれいむのことを治してあげたいんだね?」 「そうだよ!ゆっくりしないでれいむをなおしてね!」 「しょうがないな、私なりのやり方で治してあげるよ!」 私は素早くれいむを仰向けにすると、濡れてふやけた底部の皮をむりやり剥ぎ取る 「ゆっ!いだい!いだぁい!いだい!」 「れ…れいむになにするのー!しね!しね!」 まりさは顔を真っ赤にして私に突撃してくる、それこそ私を殺すつもりの体当たりだったのだろう しかし、しょせんはゆっくり、痛くもかゆくもない、むしろぷにっとして気持ちいい だが、ゆっくり風情が人間様に楯突くとはどういうつもりだ 私は力の差を教えるためにも、まりさを捕まえると、右目の部分に噛み付き、引きちぎった 口の中が程よい甘さでいっぱいになる、しかし私は辛党だ、ゆっくりなど食べても不快な気分にしかならない 嫌々、何度か咀嚼してすぐに吐き捨てる、左目は縫い針で何度も突く、突き刺すたびに目からは餡子とは違った、透明な液が噴出する 言葉にならない叫びを発するまりさを思い切り殴りつける、後頭部がへこんで口からボトボトと餡子をおう吐し始めた ふぅ…すっきりした、たまにはこんな風にワイルドに痛めつけるのも悪くない 第一、れいむに関しては本当に直してやるつもりだったんだ、それを死ね、などと言われたら少しくらい怒ってもしかたないではないか 「こないでぇ!いじめるのはまりさにして!こないで!」 「ぎぃ!う!うっぷうっ…おぇ~」 さて、れいむはというと、さっきまりさにやった折檻がよほど恐ろしかったようだ 足のない身で、必死に私から離れようとしている まりさの方は、噛みちぎられた右目のあった場所と口から、命の源の餡子を垂れ流している 左目はどんより濁って、なにも映してはいないようだ しかし、れいむの「いじめるならまりさにして」発言は良く聞こえたようだ 「びどぉい!でいむびどいよ!」 と、餡子を口から飛ばしながら叫んでいる、それから一分とかからずまりさは息を引き取った まりさが死んだことを確認すると、私はまりさの底部をれいむのように剥ぎ取った 私は、逃げようとするれいむに近付くと、出来るだけ穏やかな表情を作って話しかける 「れいむ、今から私は君の体の治療をする、痛くするつもりは毛頭無い けど、もし逃げようとしたり、泣いたり、私を不快にするようなことをしたら、ただではすまないよ」 「わわかったよ!にげないしなかないよ!」 それなら良い、私はまりさから剥ぎ取った底部をれいむの底部に張り付ける、ぴったりとはいかなかったが ゆっくりは単純でいい加減な生物だ、すぐに癒着するだろう 「これで大丈夫、しばらく動かなければきちんと歩けるようになるよ」 「ゆっ!それじゃあうごかなふぎゅ!」 すかさずれいむを踏みつける 「何かしてもらったら、普通はありがとうございましたって言わないかな?」 「ゆぐ…ありぎゃとうごじゃいまちた!」 痛みに耐えてれいむはお礼を言った、この男に逆らえば絶対にゆっくりできない、というのがゆっくりブレインにもよく分かった それからしばらくすると、れいむの皮とまりさの皮はきっちり癒着して、普通の状態に戻っていた 「良し、治ったね、それじゃあちょっとジャンプしてくれ」 「ゆっ!わかったよ!ぽよーん!」 なるほど、きちんと癒着しているようだジャンプ力も問題ない れいむが不快な擬音を口にして飛び上った瞬間、私はれいむの底部をけり上げた 「ゆぎゅ!」 移植したばかりだった、れいむの底部は簡単に破れた 痛みに悶絶するれいむを無視して、まりさの死骸から口を削ぎ落とす そして底部の破れた場所に、無理やり押しあてる 「ぎゅぅ!!!いふぁい!いだいぢだい!」 「黙れ、殺されたいか」 「ぎゅ!っつ…ん…む」 私のことを本当に恐れているのだろう、れいむはすぐに静かになった それから五分後、れいむは底部に口を持つ、世にも珍しい二つの口を持つゆっくりになっていた その結果に満足した私は、れいむを小さな透明な箱に入れると、今日一日の疲れを癒すべく寝室に向かった 一方れいむは、男への怒りで体中が爆発しそうだった 透明な箱はれいむのサイズより一回り小さかったが、男に無理やり押し込められた、身動き一つ取れない なんで可愛いれいむがこんな目に会わなきゃいけないの? 腹立たしげにれいむは呟いた 「「ゆっくりできないよ!」」 れいむは驚愕した、自分の体から死んだはずのまりさの声がしたのだ 「「まっまりさ!いきてたの?」」 しかも、不気味な事に自分の言うことを真似してくる これは、まりさの霊がれいむを祟りに来たんではないか そう思うと、体中から冷や汗が出てくる 「「れっれいむはわるくないよ!」」 「「しんでるくせにふざけないでね!」」 「「まねしないでよ!」」 「「ねぇ!やめてよ!」」 「「れいむはわるくない!ほんとだよ!」」 「「おねがいだから!まねしないでね!」」 「「やめてやめてれいむはわるくないよ!」」 れいむは朝まで自分の発した声に怯えていた 私は朝起きると、朝食をしっかり取ってから虐待部屋に直行した 中ではれいむが何やらぶつぶつ言っている、そして同時に死んだはずのまりさの声も聞こえてくる、どうやら成功したようだ 「おはようれいむ、昨日はよく眠れたかい?」 「「おにーさん!たすけて!まりさがどこかにいるよ!れーむのまねをするよ!」」 私は塩水をたっぷりれいむにかけてやった 「「ぎゅぅ!からいよ!くるしいよ!」」 「朝のあいさつはおはようございますだろ、言ってみなさい」 「「おはようございます!」」 「よろしい」 れいむは辛い辛いと騒いでいたが、いきなり真っ青になって私に体の異変を訴えてきた 「「ゆ゛っ!へんだよ!すっごくへんだよ!」」 「何が変なんだい、言ってごらん、れいむ」 「「れいむのあしがあじがわかるんだよ!へんだよ!おかしいよ!」」 私は苦笑してれいむの疑問に答えてやった 「それはね、君にまりさの口を移植してやったからさ、君の足にはまりさの口があるんだよ」 「「そそんなはずないよ!いやだよおくちはひとつでいいよ!」」 真実を教えてやったのに、そこまで言うなら仕方ない、れいむを透明な箱から取り出すと床に落とす ゆっくりの底部は頑丈で弾力がある、普通のゆっくりならこれ位痛くもかゆくもない しかし、れいむは違った 「「いだぁい!いだぁいよなんで!」」 れいむの底部には、まりさの口が付いていた ゆっくりの口はそう頑丈じゃない、裏返してみると何本か歯がへし折れていた 騒ぐれいむを無視して、私は一メートル四方の超巨大透明な箱を持ち出す 中にたっぷり塩を入れると、その中にれいむを放り込む れいむは底部を塩の床につけるなり、辛い辛いと騒ぎだした 騒げば騒ぐほど、底部の口から塩がれいむの体内に入っていく あと数分もすれば、このれいむは大嫌いな塩でお腹いっぱいになれるだろう 「ゆっくり味わって食べなよれいむ、塩はたくさんあるんだから」 「「いや!たすけて!ゆっくりできないよ!からいよ!くるしいよ!たすけて!」」 二つの声で何かに助けを求めるれいむ ゆっくりにとって、塩は大量に摂取すれば死の危険性もある食糧だ、帰ってくる頃には苦悶の表情で死んでいるだろう 朝から愉快なものが見れた私は、虐待部屋から出た後すぐにゆっくり加工所に向かった そう、私はゆっくり加工所で働いているのだ、家に帰っても虐待、職場でも虐待 私はこの世で最も幸せな男なのではないだろうか、といつも思う 自分の本当に好きなことを職業にできたのだから 作:ゆっくりな人 以前書いた虐待 ゆっくりカーニバル 臭い付きゆっくり(上) 臭い付きゆっくり(下) このSSに感想を付ける
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ゆっくり虐めもの 水虫 「「「ゆっくりしていってね!」」」 「おぉう?なんだゆっくりか。」 男が仕事から帰ってくると無人のはずの我が家で何故か出迎えを受けた。 どうやら野良ゆっくりの一家が入り込んで来たらしい、本来の家主のことなど知ってか知らずか我が物顔で振舞っている。 「ここはまりさたちのおうちだよ! おじさんはゆっくりしないで でていってね!」 「そうだよ! ここでゆっくりしたければ ごはんをよういしてね!」 ゆーゆーゆーゆー・・・ 次から次へと自分勝手な主張を述べるゆっくり達、普通なら泣き叫ぶまで虐待されてもおかしくないのだが 「あー、それはすまんかったな。ちょっと片したらすぐ出てくから、ゆっくり待っててくれ。」 「ゆゆゆ? それならゆっくりまつからゆっくりしていってね!」 実はこの場所、家といっても居住区間ではなく、農具を収納したり汚れ作業を行うような土間作りの納屋であった。 寝食を行う家屋とも隣接しているのだが、そこへの通路は段差と戸により区切られておりゆっくりでは侵入できない。 食い散らかされる食料は置いてなかったし、農具などもゆっくりにどうこう出来るほど重量の軽いものではなかった。 そして幸いにも、この男にはゆっくりを痛めつけるような趣味がなく、それどころか軒先を饅頭に貸すほどに心の広い人物であった。 男は怒ることもせず、ただ一言ゆっくりに詫びると淡々と部屋の隅に積まれている荷物を弄り始めた。 一方のゆっくり達は、ここが人間の住居であると理解した上での確信犯であった。 そのため男が帰ってきたときとっさに強がってハッタリをかましたものの、内心は戦々恐々であった。 ところが男は一家を咎める事もなく、ここから出て行ってくれると言うではないか。 そこで下手に機嫌を損ねるのも損と考え、(ゆっくり的に)丁寧な対応で男の挙動を見守ることにしたのだ。 しかし、数分過ぎたころ 「ゆうぅぅ、おじさんまだー?」 「悪いなぁ、もうちっとだから待っててくれよー。」 「しかたないね! とろいおじさんはさっさとしてね!」 男が下手に出ているところから、一家は彼を自分達より下と判断した。 結果、態度は次第に悪化して行き悪態を突きながらプンプンと膨らみ始める始末である。 そしてもう10分も過ぎて 「いやー、やっと終わったよ。待たせてごめんよ。もうおじさんは出て行くからね。」 「おじさんゆっくりしすぎだよ!こんどゆっくりしたいならたべものよういしてきてよね!」 やっと終わったか、こんなに待たせるなんて図々しい人間だ。おまけにまりさ達のおうちにガラクタなんか置いて。 一家はそんなことを思いながらも、ようやく男が出て行くと言い出したためホッと一息ついた。 だが次の瞬間 「はぁー、どっこいしょっと・・・。」 男は地面に腰を下ろし、おもむろに履物を脱ぐと底についた泥を落とし始めた。 「ゆぐぅ!? まりさたちのおうちをよごさないでね!!」 「れいぎしらずなじじいはいたいめにあってね!!」 ついに痺れを切らした親ゆっくり達が男めがけて飛び掛ったのだ。 しかし、いざ男に近づいたところで 「「ゆっがあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」」 「「「どうじだの!? おぎゃあしゃぁん!!」」」 「「ぐ・・・ぐぅぢゃい”いぃぃぃぃぃ!!!」」 男は無類の油足だったのだ! おまけに今はたっぷり外で汗を流し帰って来た所、履物も脱ぎたてのホヤホヤである。 拘束する物を失ったその足から、ようやく自由になれたと言わんばかりに臭気が立ち昇った。 「ははは!酷いなぁ、そんなに臭いかい?」 「「「ゆべえぇぇぇぇ!? こっぢごないでえぇぇぇ!!」」」 ほーれほーれと男は足を一家へと近づける。饅頭一家はその臭いに毒され今にも吐かん勢いである。 「おれ~の足は~いい臭い~♪びっくりするほどフローラルゥ~♪」 「「「や”っ!や”べでええぇぇぇぇぇぇぇ!!!」」」 乗ってきた男はゆっくり達にその足ですーりすーり♪をしはじめた。 「す~り~す~り~ごくらく~♪」 「ゆぎゃあぁぁぁぁ!! くちゃいいぃぃぃぃ!!」 「ゆうぅ!? にゃんだかべちゃべちゃでにゅるにゅるしゅりゅうううぅぅぅ!!!」 ゆっくりできない!! 一家はそういい残し、スゴイ勢いで外へと飛び出していった。 後には、やりすぎたか?と一人笑う男だけが残された。 数時間後 「ゆうぅ・・・やっぱりにんげんはゆっくりできないよ・・・」 「おかーしゃん、まりちゃたちまだくちゃいよぉ・・・」 「ゆっくりがまんしてね、おかあさんたちもがまんしてるからね」 森の中にはすっかり意気消沈した一家の姿があった。 男の家から脱出したものの、未だに体についた油がとれずゆっくりと臭っているのだ。 「あ、まりさ!ゆっくりしtみょぎゃあぁぁあっぁぁ!!?」 「ゆっぐりごっちごないでえぇぇぇぇぇ!!!」 「あっちのほうでゆっくりしていってね!こっちにはこないでね!?」 すれ違う群れのゆっくり達にも避けられる始末、べっとりした結果がこれだよ!! 3日後 「くんくん・・ゆ! もうだいじょうぶだよ!!」 「くさくなくなったまりさたちはいっしょにゆっくりしようね!!」 「「「ゆっくりしていってね!!」」」 あれから3日過ぎた頃、ようやく臭いも薄らぎ、群れのゆっくり達にも無事受け入れられたのだ。 悪夢のような日々からようやく開放された一家、まさにこの世の春と言わんばかりの有頂天ぶりであった。 ところが・・・ 「ゆ・・・?なんだか からだかゆいよ! れいむ、ゆっくりかいてね!!」 「ゆっくりわかったよ! ポーリ、ポーリ・・・」 「しあわせぇ~♪」 この頃から突如として一家の体が痒みに襲われるようになってしまったのだ。 更に1週間後 「ゆうぅぅぅ・・・かゆいぃぃ・・・」 「ゆ!・・・ゆ!・・・とどかないぃぃぃぃ!!!」 痒みに襲われる奇病は群れ全体にまで広まっていた。 皆が皆、体が痒いと呻き声をあげ、そこらかしこからポーリポーリという声が聞こえる。 更にもう1週間 「ひは・・・!ひは・・・!もうがまんできないいぃぃぃぃ!!!!!」 「ゆっくりがまんしてね!! ぽーりぽーりするとゆっくりできなくなるよ!!」 「もういいぃぃぃ!!! ゆっぐりなんがいらな”い”いいいぃぃ!!!」 ゴリリリリリリリリr・・・!! 激しく体を木に擦り付けはじめるれいむ、その目は血走り焦点も合っていない。 「ぼぉり”ぃぼぉり”ぃぃぃじあ”わ”!!??」 そこまで言ってれいむの体は崩れ落ちた。 その死に顔は後一歩で手が届かなかったような、なんとも悔しいようなじれったいような顔であった。 数週前、突如このゆっくりの群れに発生した体が痒くなる奇病。 始めの頃は痒みも大したことが無く、他のゆっくりに掻いてもらえば治まる程度のものであった。 だが時間が立つにつれ痒みは次第に酷くなってゆき、そして更に悪化がすすむと・・・ 「ポーリポー『グヂィ』ゆ?」 「ゆぎゃあぁぁぁ!!? れいむのきれいなおがおがあぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」 「どうなっでるのおおぉぉぉぉ!!?」 患部を掻いているとそこが崩れ落ちるゆっくりが出始めたのだ。 そこでこれ以上被害を出さぬため、群れのリーダーはポーリポーリを禁止した。 だが痒みに耐え切れず体を掻き毟る者は後を絶たなかった。 それどころか体が崩れ落ちるに留まらず、ついには命までをも落とす者まで現れた。 また、痒みに負けず己を自制することに成功したゆっくりでも次々と押し寄せる痒みの波に耐えかねて発狂してしまったり、 心は無事でも次第に患部が水気を帯びてきて、まるで川に落ちたようにグジュグジュに爛れたりと散々であった。 中でも特に悲惨だったのがゆっくりありす種だろう。 ありす種の命ともいえるぺにぺにが痒みを帯びたと思うと、ある日急にポロっと落ちてしまうのだ。 最愛のぺにぺにの突然の別離は想像を絶する悲しみらしく、ポロったありすは1晩泣き明かし翌朝脱水により命をおとした。 また、これが引き金で二次災害、恐怖したありす種による大規模な集団レイプが発生した。 どうせ朽ちるなら最後にスッキリしようということか、タガのはずれたアリス達は止まらなかった。 しかし、それすらも叶わぬのか 「ゆうううう!!まりざあああああっあっあっもういぐよおおおおおお!!!」 「やだあああぁぁぁぁぁぁ!!! ずっぎりじだぐな”いいいぃぃぃぃぃ」 「んほおおおおおおお!!!! ずっぎrぎゃあああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!???」 病気に侵された体が耐えられず、もう一歩と言うところでぺにぺにがもげてしまうのだ。 寸止めのありすも堪らないが、もっと堪らないのは襲われていたほうである。 「ゆがああぁぁぁぁぁぁ!!! まりざのまむまむがらでてってえええぇぇぇぇぇ!!!」 もげたぺにぺにが、まむまむの中に残ってしまうのだ。 さっきまで無理矢理犯してきた憎い相手の、しかも病気でグジュグジュンのそれが体内に入りっぱなし。 しかも水気が多く癒着してしまい自力で排出できない上、これがある限り他のゆっくりともスッキリ出来ない。 極めつけは、これが原因で本来なら外皮で留まっている痒みがまむまむでも発生し、内側からも病触されていくのだ。 不幸にもこのまりさは死ぬまで逃れられない、耐え難い嫌悪と痒み襲われることになってしまった。 さて、この木の根元に開いた穴 ここには数週前に人間の家に侵入し、臭い思いをしたまりさ一家が住んでいる。 いや、正確にはまりさ一家だったものと言うべきか。いまやこの家の主は 「・・・・・げひょっ・・・・・ゆびょっ・・・・・」 この時折奇妙な声をあげる、腐った巨大饅頭のような物体である。 時折呻きをあげ、鈍く震えているところから恐らく生きているであろうことが伺える。 この群れを襲う病気の正体は、この一家が持ち込んだ水虫菌であった。 以前、油足の男に触れられた際に感染してしまったのだ。男は油足と水虫の二冠王だったのだ。 そして、手足を持たないゆっくりは体を擦り合わせるようにして痒みをとる。 これが災いして群れ中に水虫菌が広まってしまったのだ。 しかし、この一家の現状は水虫による病状とは思えない、一体何があったのだろうか? 数日前 「かゆいよぉ・・・」 「ゆっくりがまんしてね、ぽーりぽーりはゆっくりできなくなるよ!」 リーダーのお達しがあった後、この一家も体を掻くことを我慢しゆっくりと耐えていた。 しかし、幼い子ゆっくりの我慢は限界に達しようとしていた。そんな時 「ゆゆ!いいことおもいついたよ! みんなこっちにゆっくりあつまってね!!」 何かを思いついたのか、親まりさが一家を集め始めたのだ、そうして 「これならかゆかゆにならないよ!ゆっくりできるね!!」 「ゆゆ!おかーしゃんしゅごい! これでゆっきゅりできりゅよ!」 部屋の隅で小さく固まり、互いに痒い部位を押し付けあったのだ。 こうすることにより痒みが抑えられ、また体が崩れ落ちるのを防ぐことが出来る。 こうして一家は久々の熟睡を得ることが出来た。 翌朝 「「「どうなっでる”の”おおおおおおおおおお!!!」」」 巣に響く一家の悲鳴、そこには体の癒着した複数の饅頭が涙を流すと言うトラウマものの光景があった。 何と寝ている間に互いの体から伸びだした菌糸がさながら鎹のようにゆっくり達を繋いでしまったのだ。 動くことも出来ず、また群れのゆっくりにも助けるほどの余裕がある訳もなく、こうして一家は次第に1つになっていった。 そうして今 「・・・・・ぼあ・・・・・ぼお・・・・・べべ・・・・・」 グヂョリグヂョリと粘っこい音を立てる物体に成り下がった。 髪飾りにより辛うじてゆっくりだった名残を感じることが出来ているが、もうしばらくすればこれらも分解されるだろう。 時折この物体は奇妙な音を立てるのだが、それは酷く悲しげなものであった。 「あぁー・・・かいかい」 この時期は蒸れて敵わん、そういって足を掻く男は今日も平和だった。 終われ ※こっから蛇足 「こ、こいつは一体・・・!!」 「おい!! 気をつけろよ、毒があるかもしれんぞ!!」 そう男達が叫ぶのは森の中に生えたとある一本の木の前。 この木の根元に開いた穴、そこで何とも奇妙な物体を発見したのだ。 グチョリグチョリと湿った音を立てるそれは、まるで巨大な粘菌、あるいはスライムと言う風貌をしていた。 森でゆっくりを見ない、何かしら好からぬことを企んでいるのかもしれない。 近頃村ではそんな噂が流れていた。恐らくは杞憂であるだろうが万が一という事もあるやもしれない。 そういう訳で、手の開いている村人達で山狩りを行ったところ、本当にゆっくりが1匹も見つからない。 以前大きな群れが住み着いていたらしいゆっくりスポットを捜索してもである。 これは本当に異変か?そう考えている折りにそれは見つかった。 初めは妖怪の類かと警戒したものの、動くそぶりを見せぬことからそうではないとわかった。 消えたゆっくりと関係があるのだろうか?男達は永遠亭に鑑定を依頼し、やってきた兎達にそれは回収されていった。 後日、加工場から永遠亭と共同開発した「溶かして殺す、ゆっくり粘殺剤!」が発売された。 まじで終われ 作者・ムクドリ( ゚д゚ )の人 今までに書いちゃったの ゆっくりディグダグ ゆっくりディグダグⅡ みかん キャベツ 和三盆 みかん修正版(温州蜜柑) このSSに感想を付ける
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「奇形ゆっくり」 雪もだいぶ解けた頃。 草原には、越冬したゆっくりの姿が現れ始める時期だ。 森の中を歩き続ける僕。 僕は、ある条件を満たすゆっくりを探している。 探しているのは、単体のゆっくりではなく、子供を連れたゆっくり一家でもなく、発情したゆっくりありす でもなく、ゆっくりれみりゃなどの捕食種でもない。 僕が探しているのは、お互いを愛し合ったカップルのゆっくりだ。 それも、既に交尾を済ませて妊娠初期の…そう、そのタイミングが一番“いい”。 越冬後の初春になると、冬を生きて越すことができた安心感のためか、それとも家族計画を考えているのか、 多くのゆっくりが交尾を行う。 草原には結構な数のゆっくりが顔を出し始めているから、そろそろだと思うのだが… 「ゆっ!?おにーさん、ゆっくりしていってね!!」 「はいはい、ゆっくりゆっくり」 すれ違うゆっくりには適当に返事を返しておいて、巣のありそうなところを手当たり次第に探していると… 「ゆぅ!!ゆっくりそだっていってね!!」 「ゆっくりいいこになってね!!」 狭い入り口から中を覗くと、ゆっくりれいむとゆっくりまりさのカップルがお互い寄り添っていた。 れいむの頭には3本の蔓が生えている。妊娠初期なのだろう、つぼみは固く閉じていてまだ子ゆっくりの 原型すら出来ていなかった。 ふむ…こいつらは、丁度よさそうだな。よし、こいつらにしよう。 そう決めると僕はこいつらを連れて帰るべく、ゆっくりに声をかけた。 「やぁ、ゆっくりしていってね!!」 「ゆっ!?ゆっくりしていってね!!」 本能に刻まれた言葉を僕に返す2匹のゆっくり。 「お、れいむは妊娠してるのかな?」 「そうだよ!!もうすぐのれいむのあかちゃんがうまれるよ!!」 「まりさのかわいいあかちゃんがうまれるよ!!」 どうやら、ちゃんと望まれて生まれようとしている子供のようだ。 ひとまず安心した。そうでなくてはこれからの計画も、意味がなくなるからだ。 「よし、これから赤ちゃんが生まれる二人のために、すっごくゆっくり出来るところを用意してあげたよ」 「ゆゆっ!?ゆっくりできるところ!?」 「おにーさん!!ゆっくりあんないしてね!!」 これから親になるというのに、この馬鹿っぷりはいかがなものか。 毎度のことだが、こいつらが絶滅しない納得のいく説明がほしい。 「よし!!じゃあお兄さんについてきてね!!」 息が上がらない程度のペースで、家へと続く道を走る僕。 家まではそれほど遠くない。ジョギングのペースで走って10分ほどだ。 だから僕にとっては軽い運動でしかないのだが…どうやら、2匹のゆっくりにとっては違うようだ。 「おにーさん!!もっとゆっくりしていってね!!」 「おいてかないで!!もっとゆっくりあんないしてね!!」 普通のゆっくりなら決してついてこれないペースではないのだが、妊娠しているれいむは頭に生えた蔓が折 れないように注意しながら跳ねなければならない。 「れいむ!!ゆっくりいそいでね!!」 ペースの遅いれいむに付き添うまりさも、同様である。 「そんなにゆっくりしてると、ゆっくり出来るところがなくなっちゃうぞー!!」 「ゆゆーっ!!??いやだよ!!ゆっくりしたいよ!!」 「ゆっくりいくからまっててね!!れいむ!!もっとゆっくりはやくしてね!!」 どんなに急かしても、こいつらは一定のペース以上速くはならない。 これは…何か別の方法を考える必要があるな。 ちょっとばかり考えて、思いついたのは… 「おーい、まりさ!」 「ゆっ!?」 「まりさがれいむを後ろから押して手伝ってあげれば、早くゆっくりできるぞー!」 「ゆゆ!!おにーさん、あたまいいね!!まりさゆっくりてつだうよ!!」 さっきから2匹の様子を見てわかったのだが、れいむは蔓が折れないように注意してペースを落としている のに対し、まりさは単純にれいむに付き添っているだけ。蔓に注意を払っているわけではない。 つまり、まりさはれいむがゆっくりしている理由がわからないのだ。 ゆっくり出来るところがなくなる、という僕の言葉に焦りを感じるとともに、ペースを上げようとしない れいむに苛立ちを感じはじめるまりさ。 だから…後ろから押して手伝ってやれ、という指示にも簡単に従う。 「れいむ!!もっとゆっくりいそいでね!!」 「ゆぎゅううう!!まりさあああああああああやめてよねええええええ゛え゛え゛え゛!!!!!」 ぐいぐいと後ろから押していくまりさ。それでもペースを上げるわけにはいかず、必死に抵抗するれいむ。 だが、身重の体ではまりさを押し返すことは出来ない。 そのまままりさの力に押し負けて、ペースを上げることになってしまった。 「やだあああああああああ!!あがぢゃんできなぐなっぢゃううううううう!!!!」 「れいむ!!はやくゆっくりできるところでゆっくりしようね!!」 まりさはれいむの悲鳴を聞いてないのだろうか? これから生まれる赤ん坊すら気遣わないあたり、やっぱり頭の中が餡子なんだなぁ。 しばらくして、もう少しで家に着くというところに差し掛かると… 「まりざやめでよおおおおおお!!!…ゆぎゅ!?」 まりさに押されてハイペースで跳ねていたれいむが石につまづき、顔面から倒れ伏してしまった。 あ、これはヤバい、と思った。その角度と、そのスピードが。 ボキッ!! 3本の蔓のうち、一番細かった1本が折れてしまったのだ。 「ゆぎゃああああああああ!!!れいむのおおおおおお!!あがぢゃんがああああああああ!!!」 ゆっくりらしからぬ速さで起き上がって、折れた蔓のもとへ駆け寄るれいむ。 その後を、まりさがゆっくり追いかけた。 れいむは、滝のように涙を流しながら萎えた蔓を見下ろしている。 その後ろのまりさは、ばつの悪そうな顔をしていた。 最初は悲しみの震え…そして、その震えは怒りに変わった。 「ゆぐぐぐぐぐぐぐ!!!!まりざのせいだよ!!まりざがうしろからおしたからだよ!!」 「ゆぎゅ!?まりさはわるくないよ!!れいむがゆっくりしすぎたのがだめなんだよ!!」 へぇ、ゆっくりも夫婦喧嘩するんだぁ。 「あかちゃんがああああああ!!!れいむのあがぢゃんがあああああ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」 「ゆっ…れ、れいむのせいだよ!れいむがころんだから――― 「はい、そこまで!」 このまま見ていても面白そうだったのだが、殺し合いに発展する気配を感じたので仲裁に入る。 「今のはどっちも悪くないよ。たまたま、その蔓が細すぎたんだ。たぶん折れなかったとしても赤ちゃんは できなかったよ」 「ゆっ!?そうなの!?」 「そうだよ。だから、残りの2本を大事にすれば良いのさ」 「ゆゆ!!わかったよ!!れいむのあかちゃんだいじにするね!!」 「まりさのあかちゃんゆっくりさせてあげるね!!」 あー、⑨でよかった。 2匹の仲直りは済んだので、すぐそこの自分の家に案内する。 玄関から入っていく2匹は、終始寄り添ったまま離れようとしなかった。 2匹を専用の部屋に案内し、準備を済ませると僕も2匹と同じ部屋に向かった。 僕が抱えているのは、最近幻想入りしたという毒入りギョーザと、2リットルペットボトルに入った廃油だ。 「おーい、ゆっくりしてるかい?」 「ゆっくりしてるよ!!おにーさんもゆっくりしていってね!!」 先に与えておいたお菓子を食べつくして、2匹は文字通りゆっくりしていた。 れいむが妊娠している以上、昔のように跳び回って遊ぶことは出来ない。 2匹にとっても、今までのように跳びはねるより、寄り添いあってゆっくりしてる方が満足できるのだろう。 ギョーザとペットボトルが視界に入るやいなや、跳ね寄ってくる2匹。 「ゆゆ!?それはなに!?」 「ゆっくりできるもの?ゆっくりできるならまりさにちょうだいね!!」 おお、食いついてきた。そうでなくちゃ困る。 「これはね、栄養価の高い食べ物だよ。もうすぐ赤ちゃんが生まれるれいむに食べてもらおうと思ってね。 これを食べれば、元気でいい子な赤ちゃんがたくさん生まれるよ!」 餡子脳にも理解できるように、説明は怠らない。 すると、期待通りれいむが食いついてきた。もう期待通り過ぎて怖いぐらいだ。 「ゆゆ!!れいむたべるよ!!さっさとそれをゆっくりちょうだいね!!」 「わかったわかった。まりさも食べるか?」 「まりさはいらないよ!!ゆっくりれいむにあげてね!!」 さっきのことを少しは反省しているのだろうか、それとも夫(?)としての自覚が芽生えてきたのか。 僕としてはれいむが食べてくれさえすればかまわないので、ギョーザを適当に床に置いて、大きい器に廃油 を移し替えた。 「むーしゃむーしゃ、しあわ…せ…?」 一口食べて、早速異変に気づいたらしいれいむ。 「おにーさん!!これすっごくまずいよ!!こんなのたべられないよ!! こんなものをたべさせるおにーさんとはゆっくりできないよ!!」 「わがまま言うなよ。元気な赤ちゃんが生まれなくてもいいのかい?」 「ゆぎゅ……がまんしてたべるよ…!」 赤ちゃんのため、って言っておけば大抵のことは我慢できそうだな、このれいむ。 眉間にしわを寄せて、いかにも不味そうな顔をしながら、ギョーザをちびちびとかじっている。 ダイオキシンとか、タリウムとか、メタミドホスとか、かなりヤバイ代物らしいんだが、体調には変化はな さそうだ。 実は、毒に対してはかなり耐性があるのだろうか? 「れいむ!!ゆっくりがんばってね!!あかちゃんのためにがんばってね!!」 毒入りギョーザを栄養食か何かと勘違いしている2匹。 まりさは、不味そうにギョーザを食べているれいむを応援している。 そのあと、いろいろヤバそうなものが浮いてる廃油にもれいむは口をつけた。 「ゆぎゅ、まずい……でもあかちゃんのためにがんばってのむよ!」 「ゆゆゆ!まりさもてつだってあげるね!!」 何を思ったのか、自らも廃油を飲みだすまりさ。 お前が飲んだら意味ねーだろ(笑) 目の前の不味い飲み物がなくなればいいとでも思っているのだろうか? さすが餡子脳。僕の予想の斜め上を常にキープしている。 そんなこんなで、3日間。 蔓には、少しずつ子ゆっくりの原型らしきものが現れ始める。 僕はすでにその異変に気づいていたのだが、2匹のゆっくりは気づかない。 出産自体初めてなのだろう、こういうものなんだ、と納得しているようだ。 そして。 いろいろヤバいものを体内に取り込んでいったれいむだったが、ついに…その時が来た。 出産のときである。 部屋の真ん中に陣取ったれいむ。 それを少し離れた所から、不安そうに見守るまりさ。 2匹の数週間の愛の結晶、そして僕の“3日間の努力”の結果が…今、目の前にその姿を現そうとしている。 小刻みに震えだしたれいむ。その時が近づいているのだろう。 最初は堪えていた声も、だんだん我慢できなくなってきたらしい。 「ゆ……ゆ…ゆゆゆゆ…!!」 プチッ! ぽとっ 一匹目のゆっくりの誕生である。 「ま、まりさのあがちゃんがうまれたよおおおおお!!!」 「れいむのっ、れいむのがわいいあがちゃんんんんんんんんんん!!!!」 遠くから見守ると決めていたまりさも我慢できなかったらしい。 赤ちゃんが生まれた嬉しさのあまり、すぐに生まれたての赤ん坊のもとへと跳ねてきた。 その時点で、2匹は初めて“異変”に気づいた。 「ゆ゛……ゆ゛ぐり゛……ぢででね゛……!!」 「なんなの!!このごおがしいよ!!!おがしいよおおおお!!??」 「ゆぎゃあああああああああああ!!??へんだよっ!!へんながおだよおおおおお!!!!」 このゆっくりには、口と呼べるものがなかった。 正確には、口のなり損ないのような…上唇と下唇がところどころ途切れながら癒着しているのだ。 だから、言葉を発しようとしても『ゆっくりちていってね!!』とはならない。 プチッ! ぽとっ 二匹目の誕生。れいむ種である。 今度こそまともな子供が生まれてほしい…そう願うれいむとまりさ。 しかし、そんな願いは無残にも打ち砕かれた。 「ゆっくりぃちていってにぇ……ありぇ?うごけないよ?!」 二匹目の赤ちゃんは、言葉は比較的しっかりとしていた。 しかし、この赤ちゃんには致命的な欠陥があった。 饅頭らしい弾力性が殆どなく、中身が液体のようにドロドロしているのである。 簡単に言えば…そう、やわらかすぎるのだ。 これでは、自由に弾力性を利用して跳ね回ることは出来ない …この赤ちゃんは、一生自力では動けないだろう。 「ゆっゆっ!!ゆっくりうごいてね!!ゆっくりはねてね!!」 異常に気づいたまりさが赤ん坊を手伝おうとするが、無駄なことだった。 「ゆっ…ゆっ…うぅ、うごけないよおおおおお!!うわああああああんん!!!」 「ゆぅ!!ゆっくりしていってねええええええ!!!」 自力で動けないことに絶望する赤ちゃんゆっくり。 そんな子供を目の前にして、どうしたら良いのか分からず泣き喚くまりさ。 それを遠くから見ているれいむの顔には、疲れの色が見え始めた。 プチッ!! ぽとっ 三匹目。 「ゆっくりちていってね!!…ゆゆっ!?くらいよ!?おかーさんどこおおおお!!??」 駆け寄ったまりさは絶望した。 その赤ちゃんゆっくりには…目がなかったのだ。 「おかーさんはここにいるよ!!ゆっくりしていってね!!」 「ゆっ!?みえないよおおおおお!!まっぎゅらだよおおおおおおおお!! おがーざあああああ゛あ゛ん゛ん゛ん゛!!!!ゆッぐりじゃぜでよおおおおお゛お゛お゛!!!」 大声で泣き叫ぶ赤ちゃんゆっくりを宥めようと、まりさが頬を摺り寄せるが… 「ゆぎゃ?!なに!?なにかぶつきゃったよ!?なんなの!?わがらないよおおおおお!! ごわいよおおおおおおおおお!!だじげでよおおおおおおおおおお!!??」 「こ、こわくないよ!!おかーさんだよ!!ゆっくりなかないでね!!!」 どんなに宥めようとしても、赤ちゃんゆっくりは泣き止まない。 そして、四匹目、五匹目…と順番に生まれていく。 生まれつき音の聞こえないもの。 硬すぎて跳ねることのできないもの。 「ぎょぎょぎょ」と気持ち悪い声を発しながら、芋虫のように這うもの。 目を覚ましても蔓から離れられず、終いには頭が破れてしまうもの。 十匹生まれれば十通りの奇形ゆっくりが生まれた。 赤ちゃんゆっくりにならずに、緑色の実のままの状態で落ちたものの方が幸運だろう。 その幸運すら、この一家にはなかった。 さっきまで、生まれてきた子ゆっくりと思う存分ゆっくりすることを思い描いていた親ゆっくり。 皆で草原をお散歩したり、水辺でゆっくりしたり、巣の中で固まって眠ったり… 畑のものを食べたらゆっくりできないよ、と教えてあげたり… いろんなことをしたかった。いろんなゆっくりをしたかった。 でも、それができない。この一家は、できないのだ。 そして、そんな一家を見てると僕は性的興奮に似た絶頂を覚えるのだ。 「さて、と…」 僕は次の準備に取り掛かる。 奇形赤ちゃんゆっくりに囲まれ、未だ泣き止まない親2匹に声をかける。 「やあ、赤ちゃんはかわいいかい?」 「ゆぐっ…へんだよおおおおおお…がわいぐないよおおおおおお……!!」 そりゃあな、僕だって見てて気持ち悪いもん。 でも、自分の赤ちゃんを“かわいくない”なんて言うなんて、困った親だなあ。 「そうかそうか、かわいくないか。じゃあ捨てちゃおう」 そう言って、目のない赤ちゃんゆっくりをピンセットでつまみあげる。 目の見えないゆっくりにとっては、その浮遊感は恐怖にしか繋がらないらしい。 「なに!?へんだよ゛!?ういでるよおおお!!??ごわいよおおおおお゛お゛お゛お゛!!!」 「おにーさんなにするの!?あかちゃんをゆっくりはなしてね!!」 まりさが僕に体当たりしてくるが、さすがゆっくり、全然効果がない。 むしろ、その弾力が気持ちいいくらいだ。 「だってかわいくないんだろう?だったら捨てちゃおうよ!」 「やめでよおおおおおお!!!がわいぐなぐでもまりざのあがぢゃんなのおおおお゛お゛お゛!!」 “かわいくない”ってところは否定しないのかよ(笑) 「かわいくないなら捨てちゃうよ!!ポイ!!」 鼻をかんだティッシュを捨てるように、赤ちゃんゆっくりをゴミ箱に放り込んだ。 ゆうううぅぅぅ、と悲鳴を上げながらゴミ箱の底に落ちていく、盲目ゆっくり。 底に溜めてある熱湯に突っ込んだそいつは… 「ゆぎゃあああああああ、あづいよおおおおおおおお!!!!みえないよおおおおおお゛!!!! ゆっぐりできないよおお゛お゛お゛お゛お゛!!!あがーぢゃんだじげでええええええ!!!!」 そんな悲鳴も、十数秒すると熱湯の中へ消えた。 「さーて、次はどいつにしようかな♪」 「もうやめでよおおおおおお!!!あがぢゃんずでないでええええええ!!!」 「えー、だってかわいくないんだろー?」 「おねがいじまずううううううううううう!!! れいむのあがぢゃんだずげでぐださいいいいいいいいいいい!!!」 子ゆっくりを片っ端から捨てるのも楽しいが、そこまで頼まれたらしょうがない。 僕は妥協案を提示することにした。 「…わかった。じゃあこうしよう!」 「ゆっ!?」 期待に目を輝かせる、親ゆっくり。 しかし、その期待はすぐに打ち砕かれる。 「れいむとまりさが赤ちゃんを一匹だけ選んでね!!その子だけは助けてあげるよ!」 「ゆううううぎゃああああああどおじでえええええええ!!??」 「どおじでそんなごといいうのおおおおおおおおおお!!??」 「選ばないと、全員捨てちゃうよ!!ゆっくりしないで選んでね!!」 「ゆぐっ!?」 選ばないと…子供が全員殺される。 それだけは避けようと、2匹は唯一の生き残りとする赤ちゃんを選ぶべく、辺りを見回す。 「おがーちゃん!!まりしゃをえらんでね!!」 「れいむしゅてられたくないよ!!ほかのこをすててね!!」 「ちにだぐないよおおおお!!おがーぢゃあああああん!!」 喋ることのできるものは、その言葉で親の気を引こうとする。 言葉を発せないものは、その目で親に訴えかける。 精神すらまともでないものは、何が起きているかも感知していない。 「早く選ばないと、全員捨てちゃうよ!!」 「ゆゆっ!!やめてね!!すぐえらぶからね!!」 そして、2匹の親ゆっくりが選んだのは…二匹目に生まれた、動けないゆっくり子れいむだった。 「どおじでええええええ!!??」 「なんでそのごなのおおおおお!!??」 「そのごはうごげないごだよ!?うごげるれいむをえらんでね゛!!」 選ばれなかった子ゆっくりは、たまったものではないだろう。 自由に動けるものは必死に母ゆっくりにすがろうとするが… 「ごめんね!!あのよでずっとゆっくりしてね…!!」 れいむは涙ながらに駆け寄った奇形子ゆっくりを跳ね飛ばした。 うまい具合に僕の足元に転がってきたので、そのままピンセットでつまみあげる。 「ゆぎゃあああああ!!!はなじでよおおおおお!!!」 「ごめんねー。でもお母さん達が、君たちの事かわいくないって言うからさー」 「ゆゆぅ!?れいむかわいいよおおおお!!!かわいいからすてないでねええ゛え゛え゛え゛!!」 そんな叫びも、ゴミ箱の中へ吸い込まれていった。 2匹の親ゆっくりは、自分達が選んだ一匹の子れいむを挟み込んで守っている。 悲しみと絶望に震えながら、唯一生き残るであろう子れいむを、しっかりと守っている。 「はーい、じゃあ君達はゴミ箱行きでーす!恨むならお母さんたちを恨んでくださいねー!」 「いぎゃああああああああああああああああ!!!!」 ぽいぽいとゴミ箱に放りながら、全体に聞こえるように呟く。 「あーあ、お母さんが、あんな毒入りギョーザと食べちゃったから」 「ゆっ!?」 「お母さんが、あんな汚いものを飲んだから、赤ちゃん皆かわいくなくなっちゃったよ!」 「なにをいっでるのおおおおおおおおおお!?」 「お母さんのせいで、皆気持ち悪くて汚い赤ちゃんになっちゃったよ!」 「おかしいよ!!ゆっくりせつめいしてね!!」 「ギョーザと飲み物にはね、危ないものが入ってたんだよ!!本当は食べちゃダメだったんだよ!」 そこまで説明して、やっと理解したらしい。 母体であるれいむは…自ら汚染物質を体内に取り込んだ。 それは子ゆっくりにも蓄積されていき、結果として奇形ゆっくりが生まれた。 やっと。やっと理解したのだ。 親ゆっくりも…そして、子ゆっくりも理解した。 自分がこんな酷い目にあっているのは、母親であるれいむのせいであるということに。 僕は心無い言葉を子ゆっくりに浴びせながら、次々とゴミ箱に放り込んでいく。 「おがーぢゃんのせいだあああああああああ!!!!だずげでええええええ!!!」 「はーい、お母さんがあの子を選んだので、皆あの世行きでーす!」 「おがーぢゃんなんがしんじゃえええええええええ!!!」 「その前に死ぬのはお前らでーす!!あの世でゆっくりしていってね!!」 「おがーだんだじげで!!みでないでだずげでよおおおおおおおお!!!!」 「お母さんはあの子を選んだので、君は助けてもらえません!!ゆっくり死んでね!!」 母ゆっくりを罵倒しながら、ゴミ箱の中へと消えていく子ゆっくりたち。 その言葉の暴力に、れいむとまりさは震えながら耐えている。 「ごめんね!!……あのよでゆっくりしてね…!!」 そして、選ばれた子ゆっくりを除くすべての奇形ゆっくりが…ゴミ箱の中でお汁粉に変わった。 一旦ゴミ箱を片付け、再び部屋に戻ってくる。 親子3匹がいるほうを見ると、どうやら最後の生き残りである子れいむが、両親を罵倒しているらしい。 「おがーぢゃんのせいでじぇんじぇんうごけないよ!!ゆっくりあやまってねええええ゛え゛え゛!!」 本当はすぐに飛び掛って噛り付きたいのだろうが、やわらかすぎて動けないので、それもできない。 その上、2匹の親ゆっくりの返答も酷いものだった。 「お、おかーさんは悪くないよ!!おかーさんはわるいものたべてないよ!!」 「そうだよ!!かわいくうまれてこなかったれいむがわるいんだよ!!」 「ゆぎゅううううう!!?どおじでぞんなごどいうのおおおお゛お゛お゛!!??」 生後10分で親子喧嘩か。すごいもんだな、ゆっくりって。 「はーい、そこまで!」 この前と同じように仲裁に入る。 「いいことを教えてあげるよ。二人の親のどっちかが死んで子れいむの食べ物になれば、子れいむは動ける ようになるよ!」 「ゆぎゅ!?ほ、ほんとうなの!!?」 それは親ゆっくり2匹にとって、衝撃であろう。 どちらかが犠牲にならなければ、目の前の子は一生動けないままゆっくりしなければならない。 親2匹は…どちらが犠牲になるか、選ぶことが出来るだろうか? 「どっちが食べ物になるか、ゆっくりしないで決めてね。ゆっくりしてると、手遅れになるよ!」 「ゆぎゅ!?それじゃれいむがあかちゃんのたべものになってね!!まりさはしにたくないよ!!」 急かされたせいか、焦ったまりさが思わず本音を漏らしてしまった。 となれば、二人の“ジョーカーの押し付け合い”はもう止まらない。 「どうして!?まりさがたべものになればいいよ!!れいむはあかちゃんうんだんだよ!?」 「れいむはあかちゃんうむだけで、ぜんぜんたべものとってこなかったよ!! やくたたずのれいむは、ゆっくりたべものになってね!!」 「おがーぢゃん!!げんがはやめでよおおおおおおおおお!!!!」 これが人間だったら恐ろしい会話だが、ゆっくりの場合だと笑えてくるから不思議だ。 さて…そろそろフィニッシュといこうかな。 「そうか、どっちも食べ物にならないなら…赤ちゃんが死ねばいいよね!!」 そう言って拳を振り上げ… 「やめでえええええええええええええええええ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!!!」 「あがぢゃんにげでねええええええええええええ゛え゛え゛え゛!!!」 親2匹の絶叫とともに… グシャッ! 最後の奇形ゆっくりは、ただの潰れた饅頭になった。 「どっちも食べ物になってくれないなら、赤ちゃんは死ぬしかないよね!! だって、動けないままゆっくり生きていけるわけないもんね!!」 2匹は震えている。 「どうしたの?助けたかったの?でも食べ物になるほうを決めなかったよね。 助けたかったのに早く決めなかった二人が悪いんだよ!!」 それを聞いた2匹の、震えが…止まった。 そして… 「がああああああああああああ!!!???れいむのぜいだああああああああ!!!」 「まりざのぜいでじょおおおおおおお!!?まりざがたべものにならないがらああああ!!!」 2匹は、鬼のような形相で責任の押し付け合いを始めた。 「れいむのぜい!!ぜんぶれいぶがわるいの!!!ばかなれいむはゆっくりしね!!」 「ゆぎゅうううううう!!まりざがあがぢゃんだずげながったのがわるいの!!ゆっくりしんでね!!」 「ごろじでやるっ!!おおばがれいむなんがゆっぐりじね!!」 「まぬけなあほまりざは、ゆっぐりあのよであがぢゃんにあやまってね!!」 僕は外に通じるドアを開けておき、2匹を放っておいて自室に戻ることにする。 2匹の騒ぐ音がうるさいので、音楽を大音量で流してくつろぐことにした。 翌日。 2匹がいたはずの部屋を覗いてみると… そこにはゆっくり一匹分の餡子が、部屋を中心として放射状にブチまけられていた。 原形をまったく留めておらず、毛髪や飾りも残っていないので、れいむとまりさのどちらなのかわからない。 僕としては…できれば、れいむのほうに生き残っていてほしい。 あいつがまた子供を作れば、また奇形が生まれるに違いないからだ。 できれば、そうあってほしいな。 だってその方が、ロマンティックだろう? (終) 続く あとがき 虐待スレ10の 340前後を見て、勢いで書いた! まともに読み返してないので、誤字とかあるかも!! 後悔はしてな・・・・・・いや、半分ぐらい後悔してる! でも、自分が読みたいものが書けたからOK! ゆっくり読んでくれてありがとう!! 作:避妊ありすの人 このSSに感想を付ける
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とある虐待お兄さんが死んだ。 ゆっくりに殺される、などという理不尽な理由でではない。それでは虐待話にならないからだ。 ある日、里近くの集落に住む虐待お兄さんの家に、隣に住む男が尋ねてきた。 しかし男が窓越しに見たものは、部屋の中央に倒れている虐待お兄さんの姿。 男は直ぐさま窓を開けて中に入る。だが、虐待お兄さんは既に事切れていた。 何故こんな事になったのか?男は混乱しながらも状況を確認しようとした。 壁は透明な箱で全面埋め尽くされ、閉じ込められたゆっくりたちが腹を空かせて泣いていた。 大量の餡子と皮が地層を成す程に床を覆っていて、その上にはゆっくりの死骸が百以上も散乱している。 どのゆっくりも、口にはその子供達と思しき潰れた子ゆっくりの死骸が幾つも詰め込まれていた。 その中心に虐待お兄さんは倒れていた。 常人には理解不能なシチュエーションだったが、虐待お兄さんをよく知る隣人はなんとか状況を理解できた。 これはゆっくりに強制的に我が子を喰らわせるスタンダードな虐待だろう。 だがこれだけの数のゆっくりを虐待するのは、相当な時間が掛かると素人でも分かる。 虐待お兄さんは常日頃、「ゆっくりをただ潰すだけでは殺害でしかない。仮定を楽しむのが真の虐道」と語っていた。 餡子は腐っておらず一様に新鮮である。これは不休不眠で一気にやったと見なして良い。 虐待お兄さんの死因は、おそらくは体力の限界を超えた過労死、いや虐待死(自分が)。 (無茶しやがって…) 男は、改めて虐待お兄さんを眺め、そして亡骸の右手が何かを指し示している事に気付いた。 傍に歩み寄った男の目に入ったものは、ダイイング・メッセージであった。 餡子の層に書かれていたのは『もっと虐待したかったよ!』の一文。 男の目から涙が零れた。 「彼は死ぬまで虐待お兄さんでした!」 天を仰いで叫ぶ男の姿を、箱の中のゆっくりたちが怯えた目で見つめていた。 虐待お兄さんの死はその日のうちに集落中に知れ渡った。 虐待お兄さんは速やかに集会所の一室に安置され、住人達は隣室で会合を開いた。 虐待お兄さんは家族もおらず独り暮らしである。集落全体で葬式を執り行う事が即座に決定された。 元々住民同士の結束が強い集落ではあったが、この一件においては皆我先にと協力を申し出た。 集落は森の傍にあり、ほぼ全戸が里へ食料を供給する農家である。 当然の帰結として集落にとってゆっくりは最大の害獣である。 そのゆっくりを、頼まれてもいないのに積極的・情熱的に駆除する虐待お兄さんは集落にとって有為な存在であった。 虐待お兄さんは誠心誠意で弔われねばならない。それが今までの貢献に報いる、虐待お兄さんへの手向けとなるだろう。 皆の思いは一致していた。 そして二日後、集落総出に里からの参加者も加えて、虐待お兄さんの葬式が営まれた。 今回の葬式が普段と異なるのは、参列者が皆、ゆっくりを連れている事。 前日のうちに住人が森から掻き集めてきたゆっくりである。 ゆっくりたちは泣き疲れてぐったりしていた。 受付を済ますと参列者は式場に向かった。 集会所の、集落でも一番の大部屋に入ると、奥には祭壇が作られてあった。 祭壇の上には虐待お兄さんの収まった棺。参列者はその周りにゆっくりを供えていった。 どのゆっくりも底部を焼かれ、歩行能力を奪われている。 参列者が増えるにつれ、ゆっくりはまるで華のように祭壇を覆っていった。 参列者が全員集まったところで、里から呼び寄せた僧侶がやってきて、祭壇の前に座った。 祭壇を埋め尽くすゆっくりたちは、これから何が起こるのかと不安の表情でいる。 祭壇前の、上面が鉄板の小机に、ゆっくりれいむの一家が鎮座していた。 それは死んだ虐待お兄さんの透明な箱に収められていった、最近最も大きな被害を集落に与えたゆっくり一家だった。 一家は柔和な顔をした僧侶に救いの声を上げる。 「「「ゆっくり助けてね!」」」 僧侶はそれを完璧に無視した。この僧侶の救済対象にゆっくりは含まれていない。 小机左右に配置された二匹の子ゆっくり、長女れいむと次女まりさの頭には蝋燭が刺さり、火立と化している。 僧侶はそれに線香を差し出し火を付けた。じりじりと線香が焼け、溶けた蝋が下に落ちる。 「あつい!あついよ!助けてよ!」 「ゆっくりやめてね!子どもにひどいことしないでね!ゆっ!?」 頭部を切り開かれ、線香立となっていた親れいむに線香が突き立てられた。 「ゆっ?ゆっ!?ゆっ!!」 次々と刺さる線香の苦痛に身を捩る親れいむ。だが底辺を焼かれたゆっくりはその場で苦しむしか出来ない。 僧侶の右側に置かれた親まりさが叫ぶ。 「もうやめてね!まりさの赤ちゃんどこへやったの!」 僧侶は黙って懐から数珠を取り出した。 それは赤ゆっくりを文字通りの数珠つなぎにしたものだった。 「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!ま゛り゛さ゛の゛あ゛か゛ち゛ゃん゛か゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 数珠のゆっくりたちは、小さい体に糸を突き通され虚ろな表情をしていた。 それが僧侶の手の中で掻き回される都度、「ゆっ!ゆっ!」と痙攣する。 参列者のにも数珠を取り出すものがいた。それを見て棺を覆うゆっくりの中に叫びを上げるものがいる。 己が赤子の成れのはてを見て悲嘆にくれているのだろう。 「ゆーん!」 僧侶はおりんを打ち鳴らす。それは硬化剤で固めた帽子を、逆さまに頭に突き刺された三女まりさだった。 「ゆっ!ゆっ!ゆっゆっゆっゆっ!」 僧侶は親まりさを打ち鳴らす。親まりさは逆さまにした帽子の上に乗せられ、頭を硬化剤で固められ木魚となっていた。 「や゛め゛て゛え゛え゛え゛え゛え゛ま゛り゛さ゛を゛た゛た゛か゛な゛い゛て゛え゛え゛え゛え゛え゛!ゆっ!」 奉請十方如来入道場散華樂 「ゆっ!」 奉請釈迦如来入道場散華樂 「ゆっ!ゆっ!」 奉請弥陀如来入道場散華樂 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!」 奉請観音勢至諸大菩薩入道場散華樂 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!」 「ゆーん!ゆーん!ゆーん!ゆーん!」 「「あ゛つ゛い゛い゛い゛い゛い゛!あ゛つ゛い゛い゛い゛い゛い゛!」」 僧侶はひたすらおりんと木魚を打ち鳴らし読経する。 経の合間に線香を継ぎ足される線香立は段々虚ろな顔になり、蝋燭が短くなった火立はただ絶叫する。 参列者は厳粛な気持ちで故人の冥福を祈っていた。 読経は続く。 衆生無辺誓願度煩悩無辺誓願断 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!」 法門無尽誓願知無上菩提誓願証 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!」 自他法界同利益共生極楽成仏道 「ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆっ!ゆぶっ!」 「ゆーん!ゆーん!ゆーん!ゆーん!ゆーん!ゆーん!ゆぶーん!」 読経を終えると、僧侶は全力で木魚とおりんを叩き潰した。瀕死の状態でゆーゆーと唸るだけの二匹。 「ま゛り゛さ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 「「「あ゛か゛ち゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん!」」」 正気に戻った線香立と火立と数珠が叫ぶ。 僧侶は大喝すると数珠を引き千切り、線香立に投げ込んだ。 「れ゛い゛む゛の゛あ゛か゛ち゛ゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!」 次いで蝋燭立てと砕け散ったおりんも線香立てに入れ、木魚を傍によせると上から油を掛けた。 「「「も゛っ゛と゛ゆ゛っ゛く゛り゛し゛た゛か゛っ゛た゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」」」 炎の中断末魔の叫びを上げ、ゆっくり一家は全滅した。火は全てを浄化する。 燃え盛る炎を前に僧侶は合掌した。眼前のゆっくりにではなく霊前に捧げた合掌である。 肩で息をし汗にまみれた僧侶の顔は達成感に充ち満ちていた。 鎮火され清められた小机に、新たなゆっくり一家が運ばれてきた。先程の惨状にガタガタと震えている。 「おじいさん!みょんはなにも悪いことしてないよ!ゆっくりはなしてね!」 「わからないよ!わからないよ!」 僧侶は壇上の小刀を取り上げると、親みょんと親ちぇんの頭部を横から綺麗に切り取った。 「み゛ょ゛ん゛っ゛!?」 「わ゛か゛ら゛っ゛!?」 僧侶は子供も全員を同じようにした後、親の餡子を少し取り捨て、中に油を染み込ませ火を付けた。 「み゛ょ゛お゛お゛お゛お゛お゛っ゛!?みょっみょっみょっみょっ…」 「わかっわかっわかっわかっ…」 「お゛か゛あ゛さ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん゛!ゆ゛っ゛!?」 僧侶は子ゆっくりの餡子を掴み、二体の香炉と化した親ゆっくりの頭に散らした。 満足げに頷くと立ち上がって、参列者に焼香を促す。 「ゆっゆっゆっゆっゆっ。」 次々に餡子を取られて行く子ゆっくりは白目を剥いて痙攣するばかりである。 親ゆっくりの二匹は子供達を、炎の熱さに苦しみながら「ゆふーゆふー」と見つめている。 焼香が終わる頃には子供達は全匹絶命していた。僧侶は残骸を香炉に載せると、やはり油を掛けた。 「わ゛か゛ら゛な゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛!?」 「な゛に゛か゛し゛た゛か゛っ゛た゛の゛お゛お゛お゛お゛お゛!?」 二匹は炎の中で崇高な生涯を閉じた。 役目を終えた僧侶が退席すると出棺の準備が始まった。 棺を降ろし、皆涙ながらに仏との最後の対面をする。 「「「ここはゆっくりできないよ!ゆっくり出してね!」」」 棺の中にはゆっくりが敷き詰められ呻いていた。それは透明な箱に入っていたゆっくりたちである。 虐待し損ねたゆっくりを一緒に送り、故人があの世で虐待出来るようにとの心遣いである。 さらに参列者は棺の中へ、次々とゆっくりを足していった。 「「「おもいよ!ゆっくりとってね!」」」 棺は仏の顔以外を除いてゆっくりで敷き詰められ、蓋が閉じられた。 「さいきょ!?さいきょおーっ!?」 「くろまっ!くろまくーっ!」 凍らせたゆっくりちるのとゆっくりれてぃを用いて釘打ちがなされた。 釘を二発打つ度にちるのもれてぃも砕け散ったが、直ぐさま代えが用意された。 併せて五十匹程砕けたところで棺は完全に閉じられた。 「「「うっうーっ!うあうあ!」」」 別室に閉じ込められていた沢山のれみりゃが連れられてきた。 それを見て祭壇のゆっくりが悲鳴を上げる。 「うー?うーうー♪たーべちゃうぞー!」 れみりゃたちはゆっくりを見ると喜び勇んで獲物に飛び掛かろうとした。 参列者はれみりゃに蹴りを加える。 「うー!いだいー!」 転んで泣き叫ぶれみりゃだが、髪を掴まれ引き起こされた。掴んだ者がれみりゃに何事か語りかける。 「うー!うー!」 ぶんぶんと首を振るれみりゃたちは、別の人間が自分の子供を抱えてやってくると顔を強張らせた。参列者はれみりゃたちに何か囁く。 「いやだー!いやだー!」 れみりゃは泣きながら棺の周りに集まり、持ち上げようとする。 「うー!」 重いという意思表示なのか、首を振るれみりゃたち。 「うぁー!」 男が一匹の子れみりゃを握りつぶした。たちまち餡を吐き出して絶命する。 「あ゛あ゛ー!れみりゃのあかちゃんがー!」 男は駆け寄ろうとする母れみりゃの足を払う。転がったそれに耳打ちする。 「は゛い゛ー!や゛り゛ま゛す゛ー!」 れみりゃたちは必死になって棺を抱え、外に向かって運び始めた。 祭壇のゆっくりたちは天敵がいなくなって安堵の表情になる。 参列者達は各々、そのゆっくりを抱えていった。 長い葬列を見詰める二つの人影があった。暇潰しに見に来たものの、部外者の遠慮からか遠巻きに眺めているだけだ。 時折一人が列に近付こうとし、別の一人に押し止められている様に見えた。 葬列は粛々と歩んでいる。 先頭を進むのは棺と、棺を運ぶれみりゃ、周りを囲む男達。その後にゆっくりを抱えた参列者達が続いた。 「もういやだー!ぷりん食べるー!さくやー!」 疲れ切って道に座り込んだれみりゃは、直ぐに子供を潰された。泣き叫びながらもあわてて棺を持ち直す。 子を失っても言う事を聞かないれみりゃは頭を潰され息絶えた。 れみりゃの抜けた穴は新たなれみりゃによって補われ、棺は無事に目的地に辿り着いた。 そこは集落の外れにある、小さな丘だった。 既に準備は出来ており、一方を除いて方形に木が組まれてあった。 れみりゃが抱えた棺を納めると、直ぐに木材で塞がれた。 「「「!せ゛ま゛い゛ー!た゛し゛て゛ー!さ゛く゛や゛ー!」」」 木材に閉じ込められたれみりゃが口々に叫ぶ中、皆は目を閉じ、故人に最後の別れを告げた。 数人の男がゆっくりと木材に油を掛け回し、最後に代表の隣人が点火した。 「「「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛つ゛い゛ー!あ゛つ゛い゛ー!あ゛つ゛い゛ー!あ゛つ゛い゛ー!あ゛つ゛い゛ー!」」」 れみりゃたちの絶叫が響く中、参列者は皆等しく涙を流していた。言うまでもなく虐待お兄さんに思いを馳せているのである。 手の中でガタガタ震えていた一匹のゆっくりれいむが声を上げた。 「ゆっくりはなしてね!ここはゆっくり出来ないよ!もうおうち帰る!」 即座にれいむは炎の中に投げ込まれた。 「ゆっ!あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛つ゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 それを切っ掛けに、参列者は抱えたゆっくりを尽く火中に投じていった。 「や゛め゛て゛え゛え゛え゛え゛え゛!」 「ゆ゛っ゛く゛り゛て゛き゛な゛い゛ん゛た゛せ゛え゛え゛え゛え゛え゛!」 「ま゛り゛さ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛さ゛い゛こ゛に゛ひ゛と゛つ゛に゛な゛ろ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 「む゛き゛ゅ゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!」 「さ゛く゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 「お゛せ゛う゛さ゛ま゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 「し゛ゃ゛お゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!」 「こ゛ほ゛ね゛え゛え゛え゛え゛え゛!」 「ち゛ん゛ほ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 「そ゛う゛な゛の゛か゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 「さ゛い゛き゛ょ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 「く゛ろ゛ま゛く゛う゛う゛う゛う゛う゛!」 「す゛き゛ま゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!」 「て゛ん゛こ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 「わ゛か゛ら゛な゛い゛よ゛お゛お゛お゛お゛お゛!」 「ち゛ん゛ち゛ん゛ん゛ん゛ん゛ん゛!」 「あ゛つ゛い゛さ゛す゛か゛ほ゛の゛お゛あ゛つ゛い゛い゛い゛い゛い゛!」 「き゛も゛ち゛い゛い゛い゛い゛い゛!」 テンションの上がってきた参列者は次々にゆっくりを投げ込んでゆく。 手持ちのゆっくりを投げると、皆は列後方に付いてきた数台の大八車に我先にと群がり、積み上げられたゆっくりを掴んでは駆け戻っていった。 その顔はまるで虐待お兄さんが乗り移ったかのよう。 ゆっくりれいむもゆっくりまりさも、その他全ての種が炎に包まれた。 ゆっくりたちの絶叫の中、参列者は思い思いに読経を始めた。 虐待お兄さんの霊が慰められるように。あの世でもゆっくり虐待出来るように。 騒霊の大合葬もかくやと思われる程の読経は、遠く里にまで響いたという。 その有様を遠巻きに眺めていた二人。そのうち隣に向けて日傘を掲げていた一人が地に倒れ伏した。 れみりゃたちが焼かれる光景に耐えきれず気を失ったのである。 レミリアは、倒れた咲夜にも、体を焼く日差しにも気付かず、「人間って怖い」とガタガタ震えていた。 By GTO このSSに感想を付ける
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各キャラ紹介文 プチゆっくり ここは ちいさな かわいらしい プチゆっくり たち を ほかんする ページ すれを やさしく いたわる しょうえね せっけい だよ! ゆっくり かわいがってあげてね!!! _人人人人人人人人人人_ _,,_ > ゆっくりしていってね! < -'' \ ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄ | ;ノ´∨\_,. -‐ァ _ __ _,.!イ,.ヘーァ'ニハ'ヽ、ヘ,_7 r , -`―'- 、イ、 . rー''7コ|_,‐"リ´V、!__ハ イi イ人ルレ ン、 !イ´,'イ ノヒソ _ ヒンY.i ! /ヒン__ ヒン)| i、| ( ,ハ" ヽノ ノ人 (" ヽノ " []ノ i ,)、 .ヘ,、)― ‐'´''レヽ ー―――'レル' _,,_ -'' \ | ;ノ´∨\_,. -‐ァ _ __ _,.!イ,.ヘーァ'ニハ'ヽ、ヘ,_7 r , -`―'- 、イ、ノ rー''7コ|_,‐"リ´V、!__ハ イi イ人ルレ ン、!イ´,'イ ノr=- r=ァY.i ! /r=- r=ァ | i、| これで満足か? ( ,ハ" ー=‐' "ノ人 (" ー=‐' "[]ノ i ,)、 .ヘ,、)― ‐'´''レヽ `ー―――'レル' +プ.プチゆっくり1 プ.プチゆっくり1 ■プチゆっくり ■おお、こわいこわい ■いっしょに泣くプチゆっくり ■プチゆっくりのむーしゃ♪むーしゃ♪しあわせー!! ■ぷち霊夢とタイ焼き ■就寝 ■泣く ■怒る ■笑顔 ■ウインク ■キモんげ ■みんなで就寝 ■みんなのふれあい ■なめなめ ■KEEP OUT ■プチゆっくりとタイ焼き ■横取り ■横取り その2 ■横取り その3 ■グレたプチゆっくり霊夢 ■レミリアとプチゆっくり ■2段ゆっくり ■プチアリス ■ヲタ ■プチプリズムリバー三姉妹 ■三原則 ■愛娘 ■特訓 +チ.プチゆっくり2 チ.プチゆっくり2 ■縮小版 ■縮小版ブラック ■ミニ ■プチ秋姉妹 ■ミニキャラ姉妹 ■MT姉妹 ■マッスル・トレーサー ■プチゆっくりVSにちょり ■新・クリーチャー ■プチ鈴木山蝶子 ■プチリリー ■プチレミリア ■柱の男 ■Myぶーむ ■八頭身 ■ゲラゲラゲラ ■どんな気持ち? ■小尻 ■箕条晶 ■縮小版お燐&お空 +ゆ.プチゆっくり3 ゆ.プチゆっくり3 ■ペルソナ3 ■饅頭ライダー ■やわらか戦車 ■エビフライ ■スイーツ ■合体 ■いっぱい食べて大きくなりました ■車の代わり ■静葉舗装 ■草むしり ■ぃゃゃゎ(ボコスレより) ■スザク ■ルルーシュ ■月光蝶 ■プチパチュリー ■ハト帽子 ■静葉逮捕 ■縮小版みすちー ■一緒にお菓子を食べませんか? ■アンパンマン ■聖剣伝説 ■車のオモチャ ■餅!? ■ロックマン ■ミニ姉妹でゲラゲラゲラ +っ.プチゆっくり4 っ.プチゆっくり4 ■ちび橙にデレデレな藍しゃま ■プチルーミア ■お断りします ■媚びるプチ秋姉妹 ■プチみすちー ■プチ橙 ■ドス黒い感情 ■マトリックス ■魔理沙の独占 ■弾幕はパワー ■うるさい黙れ ■パン ■ののワさん ■首輪付き ■松岡修造 ■ょぅι゛ょ(全部小文字で会話するスレ) ■0080 ■全員集合 ■ちびゆっくり ■プチリグル ■チョコボみすちー ■アーマード・コア ■北斗の拳 ■グスタフVSトキ ■クリスマス ■プチヤマメ ■捕まった宇宙人 ■八頭身風 +く.プチゆっくり5 く.プチゆっくり5 ■おうちができたよ!!! ■ゆっくり育ってね!!!○グロウアップ ■行け!我が眷族達 ■ちびゆっくりのごはんとり ■ヴィクセン ■フォックスアイ ■ゆっくり魔理沙と霊夢 ■昇龍拳 ■チャーハンつくるよ! ■土曜夜の龍魚の怒り ■穣子とネタ帳 ■プチゆっくりプレゼント ■ミニ着ぐるみさくや ■プチ大ちゃん ■プチリリー ■プチ映姫 ■キャプ翼体型閻魔○こう見えた ■プチ小町 ■プチ映姫とプチ小町 ■プチパルスィ ■プチ萃香とプチ勇儀 ■プチ綿月姉妹 ■プチ秋姉妹とプチ綿月姉妹 +り.プチゆっくり6 り.プチゆっくり6 ■縮小版咲夜さん ■さいたま ■プチきめぇ丸 ■プチ咲夜 ■幽香さんと天子 ■プチお空とお燐 ■プチ古明地姉妹 ■プチさとり一家 ■東方風神録セット ■東方地霊殿セット ■東方永夜抄セット ■東方緋想天セット ■静HARD ■プチ神奈子 ■プチ諏訪子 ■縮小したら許されるとでも思ったか? ■ソッコーマン ■プチパチュリー ■プチ荒ぶるグリコのポーズ ■プチ荒ぶる秋のポーズ ■穣子が拡声器 ■ケロケロスワッチ ■プチ藍 ■温泉プチルーミア +も.プチゆっくり7 も.プチゆっくり7 ■フィーバータイム終了のお知らせ ■プチナズーリン ■プチ小傘 ■プチ一輪&雲山 ■プチブロントさん完全版 ■うまか姉妹 ■プチ幽々子 ■プチヨコサクさん ■どどんまい ■格の違い ■イモウマ状態 ■プチ白蓮 ■プチ寅丸 ■プチ村紗 ■プチぬえ ■東方星蓮船セット ■プラモデル ■流石の私もそれは引くわ ■ミニミニ魔理沙 ■AA表示環境チェック +ゆ.プチゆっくり8 ゆ.プチゆっくり8 ■ミニミニ魔理沙とミニミニ霊夢 ■霊夢の私服 ■体育座り ■星空 ■ダブル魔理沙でゲラゲラゲラ ■可動船長ムラサ ■落ち着け永江 ■雨宿り ■ごろ寝 ■溢れ出る親父臭 ■扇風機 ■Ex静葉 ■タクシー ■ちいさなてるよ ■ゲラゲラ穣子 ■サッカー ■モンスターエンジン ■たわしずはストラップ ■というお話だったのサ ■ドラグノフ ■自動的にHARDする銅像 ■タモリア ■秋魔超神 ■支援ジャー ■プチ三妖精 ■さよなら三月また来てサニー ■ゆったり ■こいし・てるよ ■でかピース ■卓上妖夢 ■お座りうつほ ■立ち上がりうつほ ■諏訪子熟考 ■プチリリーとごじゃえもん帽 各キャラ紹介文 プチゆっくり
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早苗から相談を持ちかけられた時、魔理沙にはそれがどういう内容か何となく見当がついていた。 早苗がゆっくりを可愛がっているのは魔理沙も耳にしている。大方、今回の相談もゆっくりに関した事だろう。 「それで、相談っていうのはなんなんだ?」 座布団の上に腰を下ろし、話を促す魔理沙。早苗から早々に出された羊羹は、既に食べ終わっている。 「はい……。実は、ゆっくりの事なんですが……」 やっぱりか、と心の中で呟く。 「どうした? 長い間飼ってたら鬱陶しくなってきたか? 鬱陶しいなら食べるに限るぜ!」 「そ、そんな事ないです! あの子達は可愛らしいですよ! それを食べるなんて……」 魔理沙のセリフに早苗の返事は怒りの込められたものだった。 普通ならあり得ない反応に魔理沙は心底驚く。 幻想郷でゆっくりといえばその言葉とは裏腹に、煩い、鬱陶しい、ストレス解消玩具で知られるまんじゅう型のナマモノの筈だ。少なくとも魔理沙の周りにあれを可愛いと思っている奴なんて1人もいない。良い感情を持つとしてもせいぜい美味しいぐらいだ。 てっきり早苗も食用として飼っていると思っていたのだが、まさか愛玩動物として飼っているとは思わなかった。 魔理沙は素直に思った。物好きな奴だ、と。 「それじゃ、何が問題なんだよ?」 「実は……ゆっくりが大きくなってしまって……」 「ああ、あいつらはすぐ大きくなるからな」 魔理沙の脳裏に、紅白色のふてぶてしい顔をしたまんじゅうが何体か浮かぶ。どのまんじゅうも、霊夢に叩きつぶされたものだ。 切り出しづらいのか言い淀むが、たどたどしく早苗は話を続けた。 「はい……すぐ大きくなるんですけど……ちょっと違ってて」 「違うって、大きくなるに違いなんてあったのか? 初めて知ったぜ」 「ええ、その……大きくなりすぎてしまって……」 「なんだ、可愛がりすぎだぜ。どのぐらいになったんだ?」 「えっと……これぐらいです」 早苗は指を一本立てた。 「1メートルか。よくもそんなに育てたな」 呆れた様子の魔理沙に、慌てて早苗が答えた。 「あ、いえ違うんです。これは数字とかじゃなくて……」 早苗は指を立て、そのまま上に動かした。 「この部屋の天井に当たるぐらい……」 「なんだって?」 魔理沙はまず、早苗の正気を疑った。 なんてふてぶてしい姿なんだ……。 部屋に入り、まず魔理沙が思った事はそれだった。 取りあえず現物を見ないと何とも言えない魔理沙は、早苗の案内でそのデカゆっくりれいむのいる部屋へ足を踏み入れる。 部屋は10畳ほどある広々とした和室。壁際に押し入れがあるものの、普通なら静かにお茶を飲みながらのどかに過ごすための部屋なのだろう。 その部屋の半分を今、まんじゅうが征服していた。 「……でかいな」 「やっぱりそうですか……」 せっかく落ち着いて過ごせる筈の場所が、座っていればまんじゅうが気になり、気が散るようになっていた。 デカゆっくりれいむは、あまりにデカすぎてもはやまんじゅうの原型を留めておらず、もうまんじゅうというよりは部屋に出来た小さな山のようだ。現に顔もどこにあるのかよく分からず、その特徴的なリボンとまんじゅうの皮でどうにか判別出来るぐらいだ。 そのデカゆっくり山の側では、デカゆっくりの姉妹なのか、普通のゆっくりれいむ達が飛び跳ねながら「早く動いてね!」「早く遊ぼうね!」としきりに騒いでいた。 「この子達もこんな事は初めてらしく、こうやって心配していて……」 早苗の言葉に、魔理沙はれいむ達が心配して騒いでいるんだと初めて理解した。てっきりいつものように鬱陶しく自己中に動き回っているかと思ったのだ。 れいむ達を見ている内に魔理沙は「サッカーしようぜ!」と1匹ぐらい蹴り飛ばしてレヴァリエで突き刺したい衝動に駆られるが、その瞬間、魔理沙の知らない早苗を知ってしまいそうなので我慢した。怖い巫女は1人だけで充分だ。 「こいつ、喋らないのか? ゆっくりとも言わないぜ?」 デカゆっくりはこれまで一言も喋っていない。ゆっくりが出会って開口一番に言う「ゆっくりしていってね!」もなければ、姉妹達の言葉にも口一つ動かしていない。顔の位置はわからないが、どうも眠っているようにしか見えなかった。 「ちょっと大きくなった頃は普通に喋っていたんですが、大きくなるにつれて喋らなくなって……今だと食事時にご飯を持ってきたら口を開いてくれるぐらいなんです」 「贅沢な身分だぜ。変な物でも食べさせたんじゃないか?」 「普通に私たちと同じものを用意していたんですが……それが原因だったのかな」 魔理沙はだんだん頭が痛くなってきた。 普通ゆっくりに食べさせるのは、良くて残飯、普通で生ゴミ、悪くて食事時だけ外に放り出すという流れだ。普通なら食べられない金属類を無理矢理食べさせたなんて話も聞いたことはあるが、自分と同じご飯を用意した奴は聞いたことがない。 「どうすればこの子を元に戻せるんでしょうか……?」 「ああ……」 深刻そうな早苗の様子に、魔理沙は迷い始めた。 こんなにでかくなったゆっくりは初めてみたが、でっかくなった理由も、そして元に戻す方法には心当たりがある。しかしその方法は……。 「……早苗、このタイミングで相談したのは正解だったぜ」 「ど、どういうことですか……?」 魔理沙はデカゆっくりのまんじゅう肌に触りながら、 「これはな、妊娠しているんだ」 早苗の思考回路は停止した。 「え?」 「ここまで大きい奴は私も初めてみたが、ゆっくりがこんなに大きくなる理由なんてそれしかないぜ」 真面目な口調の魔理沙に冗談で言っていないと理解した早苗は、なんと返したらいいか悩んだ。ゆっくりが妊娠するなんて考えもしなかった事だ。いやそういえば、以前はずっと仲良くしていた別のゆっくりがいたけど、最近姿を見ないような……。 あれこれ考え、取りあえず浮かんだ事を口に出した。 「……お、おめでたいですね!」 「そうだな、普通ならおめでたいかもしれないが……」 早苗の言葉に笑いもせず、魔理沙は話を続けていく。 「ゆっくりが生む赤ちゃんの数は、そのゆっくりの大きさに比例するんだ。詳しくは私も知らないが、どうも中身のあんこに徐々に皮が付き始めて小さな子ゆっくりになるらしいぜ」 「そ、そうなんですか! 初めて知りましたそんなこと!」 「知ってたらむしろ驚くぜ。これだけ大きかったら、平然とはしてられない筈だからな」 「……え?」 「生む子供の数は大きさに比例するって言っただろ? ゆっくりは体の中で出来た子供を口から吐き出して出産するんだが、それは体の中身を吐き出すようなものだぜ? 激痛だろ。私が見た大きさでも、全部生んだ頃には瀕死になっていたからな」 「それって……それじゃ」 「このまま出産させたら死ぬな、このゆっくり」 自分の聞き間違えかと訪ねるが、魔理沙からは同じ言葉しか返ってこない。 早苗は自分の顔から血の気が引いていくのを感じた。 「たくさんの子供が欲しいなら、このまま放っておけば──」 「い、嫌です!」 魔理沙の言葉を振り払うように早苗は叫んだ。魔理沙に助けを求め、縋りつく。 「あるんですよね魔理沙さん! この子を助ける方法、あるんですよね!」 「……」 「魔理沙さん!」 「……ある」 早苗の顔が一瞬にして豹変した。目が見開き、後光でも差したかのように魔理沙を見つめている。 その表情の変化に魔理沙は焦った。 どれだけゆっくりが大切なんだこいつ……。 「ほ、本当ですか?」 「ああ、本当だぜ。ただこれだけでかいとかなり辛くなるが、それでもやるか?」 「元に戻るなら何でもします」 「それじゃ……まずは家に帰って道具を取ってこないとな」 さっさと行ってしまおうとする魔理沙。しかし早苗に腕を掴まれ、動けない。 「それで、ど、どんな方法なんですか!」 押し迫る早苗。一筋の冷や汗が魔理沙の顔から流れ落ちる。 「……ああ、それはな」 魔理沙はもう隠そうとはせず、はっきりと内容を伝えた。 デカゆっくりはゆっくりしていた。この上なくゆっくりしていた。 今の自分は昔のように飛び跳ねる事は出来ない。喋る事も出来ない。 それは子供が出来たから。 動けない事や喋れない事は苦にならない。今こうして子供が生まれようとしているのは嬉しいし。自分のお母さんもきっと喜んでくれるからだ。 デカゆっくりが思い浮かべているお母さん。それは早苗の事だった。 外敵に襲われ、姉妹そろって瀕死になっているところを助けてくれたお母さん。1匹の時は一緒に遊び、4匹が一緒に楽しそうにしている時は遠くから見守ってくれる。毎日美味しいご飯を用意してくれて、1匹でも居なくなっていたら深夜でも見つかるまで一生懸命探してくれるお母さん。一緒にゆっくりしてくれるお母さん。 そんなお母さん的な存在の早苗に喜んでもらいたい。デカゆっくりはそう思いながらゆっくりしていた。 「大丈夫か? 震えてるぜ?」 「は、はい! 大丈夫です!」 「他のゆっくり達はこの近くにはいないんだよな?」 「はい。魔理沙さんが準備しに帰った後、言われた通り遠ざけておきました……」 「上出来だぜ」 ふと、話し声が聞こえてきた。徐々にはっきりと聞こえてくるので、こっちに向かって来ているんだなとデカゆっくりは思った。 ご飯の時間にはまだ早い。また心配してやってきたんだろうか? ゆっくりしていれば良いのに。自分が大丈夫なのは自分が一番よく知っている。 お母さんを悲しませているのは辛いけど、デカゆっくりは気にしないで、変わらずゆっくりすることにした。 部屋の襖が開かれ、2人が入ってくる。 「あらためて見てもやっぱりでかいぜ。早苗、準備はいいか?」 「は、はい! 頑張ります!」 叫ぶとともに、決死の表情でデカゆっくりに近づいていく早苗。 目の前までいくと、その場で何度か深呼吸をする。決心はした。しかし躊躇せずにはいられない。 臆病になりそうな自分の心を必死に支えながら、早苗は構える。 その手には、光沢の目立つ金属バットが握られていた。 「ええぃ!」 「ぐぼぁっ!」 それまでゆっくりしていたデカれいむの顔が凍り付く。 突然伝わってきた衝撃に、デカゆっくりは大量のあんこを吐き出した。 「ひ、ひぃっ!」 ぼとぼとと口から落ちてくるあんこ。思わず早苗は手を止めてしまう。 「手を止めるなよ、続けないと元に戻らないぞ」 「は、ハイ!」 慌ててバットを握り直し、大きく振りかぶってデカゆっくりの体を殴打す る。 「げぼぇあっ!」 ゆっくりしすぎて喋れなくなっているデカゆっくりは悲鳴が出せない。ただあんこが吐き出される時に、口から音が聞こえるだけだ。 ゆっくりは何をされているのかわからなかった。あれほど優しく自分達とゆっくりしてくれたお母さんが、どうしてこんな苦しいことをするのか。叫んで止めたかった。「ゆっくりさせて!」と叫びたかった。 「まだまだ大量にあるが、あんこは全部吐き出させるなよ。子供用のあんこは全部吐き出してもいいが、生命維持するためのあんこまで出したら死ぬぜ」 「ハイ! えい、えいえいえいえい!」 「ぎゅごげぎゃごごじゅばう゛ぉええぇっ!」 早苗がバットを振るたびに吐き出されていくあんこ。飛び散ったあんこが早苗の顔を、服を汚していく。 このあんこの一つ一つが、ゆっくりの子供みたいなものだ。 気づけば、早苗の顔には涙が浮かんでいた。 「えぃ! うぅ……えぃ! え゛ぃっ!」 「早苗、振りが弱くなってるぞ。助けたくないのか?」 「たずげまず!」 強く振り抜いたバットはゆっくりの体を大きく凹ませ、大きなバットの跡をつけていた。 「頑張らないと、このゆっくり死んでしまうぜ。それともこいつは見捨てて新しく生まれてきた子を育てるか?」 「いや゛です! この子の代わ゛りな゛んでいま゛せん!」 何度も何度も殴打する。「ぐぎょぎゃ!」「ぎょぎゅえっ!」と押し出されていくあんこは、ゆっくりの替わりに畳の上へ山を作ろうとしていた。 「早苗にとって家族のような存在なんだろ?」 「そうでず! 神奈子様や諏訪子様とばまがっう、わたしのかぞぐでず!!」 早苗の顔はあんこと涙でぐしゃぐしゃになっている。それでも早苗は手を休めず、ひたすら目の前のデカゆっくりに金属バットを振り続けた。 「ぐぉげぁ……ゆ゛、ゆ゛ぐ゛り゛っ」 「……えっ?」 思わず、早苗の手が止まった。 「ゆ゛っぐり゛ざぜでよ゛ぉっ!!」 「……ま゛、ま゛りざざん! 喋ってぐれま゛じた!」 「ああ、喋れるぐらいには吐き出したみたいだぜ!」 喜びはしゃいでる早苗がゆっくりはわからない。ゆっくりさせてと言っているのに、どうしてお母さんは邪魔をするの? 「だ、だずげでぇ……っ!」 「ご、ごめ゛んね……っ、でもごれも貴方のだめなのっ!」 また一つ、ゆっくりの体にバットの跡がつけられる。 「いだいよぉおぉっ、くるじいよぉおぉおっ!」 「ごめんゆっくり、がま゛んじてっ! がんばっでずぐすまぜであげるがら……っ!」 「れ゛いぶのあ゛かぢゃんじんじゃう゛よぉっ!」 「えっ!」 早苗はデカゆっくりが、自分が妊娠したことを理解していないと思っていた。あれだけ心配しても何も言わず、焦ることなくゆっくりしていたので、てっきり大きくなった理由なんて気にしないでゆっくりしているのかと思っていた。 でも実際には、赤ちゃんが出来て喜んでいた。産もうと思っていたゆっく りがいた。 その赤ちゃんを、今自分が殺している。 止めどなく涙があふれて来る。罪悪感と後悔が自分を襲う。 「うっ! うぅ……っ」 「だずげでよぉっ! やめ゛でよっ、おがあ゛ざんぅぅぅっ!」 「うっ……!」 「よ゛ろごんでよぉぉお゛ぉっ、おがあ゛じゃんぅぅっっ!!」 「うあ゛あ゛ぁぁあ゛あ゛ぁあ゛あ゛ぁぁあ゛っ!!」 早苗はデカゆっくりの言葉を振り切るように、必死にバットを振り続けた。 「……うっ……う、うぅっ……!」 「……」 「うあっあああ、ひぃっ!」 「……ほら、泣くなよ早苗」 床に座り込み泣き続ける早苗。その目の前には山となった大量のあんこ、そして吐き出すものを吐き出し、皮が余りまくったデカゆっくりが横たわっている。顔の位置は相変わらずわかりづらいが、どこからか「ゆっ……、ゆっ……」と聞こえてくる。瀕死だが生きてはいるらしい。 魔理沙は泣きやまない早苗の肩に手を置いた。 「赤ちゃんはまた作れるぜ、だけど死んでしまったらそれまでだろ?」 「はい……はいっ……!」 「今は泣くより、このゆっくりをちゃんと治してやる方が先決だぜ?」 「はい……はいっ!」 返事はするものの泣きやまない早苗。しかし泣きながら立ち上がると、目 \の前にあるゆっくりの皮を破れないように畳み始めた。 魔理沙は適当にまとめて持って行くのかと思っていたので、こんな時でも 几帳面な早苗に少し笑ってしまう。 「これだけ大きいといつになるか分からないが、皮は徐々に小さくなっていくからな」 「はいっ、……ぐずっ」 泣きながら、出口の襖へ向かう早苗。 「このあんこはどうするんだ?」 「……こ、この子のこどもだから、あとで埋葬してあげまず……」 「そうか」 その言葉を最後に魔理沙に背を向け、早苗は静かに去っていった。 「……ゆっくりのどこがそんなにいいんだか」 ぽつりと呟くと、魔理沙はあらためて部屋を見渡していく。あんこが一面に広がって甘ったるい空間。早くこんな所からは出て行きたいところだが、魔理沙にはまだ確認しないといけない事があった。 魔理沙はあんこを避けながら、壁際にある押し入れの襖へ手をかける。 そのまま襖を開けると、中には口を塞がれ、身動きがとれないように箱詰めにされたれいむ姉妹の姿があった。 準備があると家へ戻った振りをしていた魔理沙は、姉妹達が早苗から離れた瞬間に全員捕まえ、この押し入れの中へ隠しておいたのだ。 「聞こえたか? さっきの」 魔理沙の言葉に、しかし姉妹達はあまり反応を示さない。全員が全員震えながら涙を流している。 「その様子だと聞いていたみたいだな」 そのまま姉妹達を箱から出し、1匹1匹きちんと口を開けてやる。 「いいか? 子供なんて作ろうと思うなよ。あのでかいのみたいに潰されるぞ」 「やぁだぁ!!」 「れいむたちゆっくりしたいのっ!!」 「たすけてよおねいさんっ!」 「ゆっくりしたいなら子供を作らない事だな。お前達が子供を作ると迷惑な 奴らもいるんだぜ。神様とかな」 「わかった!」 「子供は作らないよおねえちゃん!!」 「ずっとゆっくりしていくね!」 そこまで聞ければ充分だ。どこまで守れるかはわからないが、ゆっくりを教育するにはやはり恐怖心を訴えるのがいい。 魔理沙は姉妹達を押し入れから出してやる。 「ようやくゆっくり出来るよ!」 「ゆっくりしようね!」 その時、魔理沙の頭に妙案が舞い降りてきた。 「……そうだお前達、腹が減ってるだろう」 「お腹空いたよ、でもそろそろお母さんがご飯くれるよ」 ご飯が出来るのが当たり前のようにいうゆっくりに魔理沙は腹が立った。むしろ食用のまんじゅうが、どこまで甘やかされてるんだこいつらは……。 「そのお母さんから言われているんだ。そこにあるあんこ、食っていいぞ」 「ほんとに?」 「ああ、私は嘘なんかつかないぜ」 魔理沙が早苗と仲良く話していたのを覚えているのだろう。対して疑いもせず、ゆっくり達は喜んであんこを食べ始める。もっと知能があれば、早苗が去り際になんと言ったか覚えていただろうが、ゆっくりには無理な相談だ。 「うめぇ」「メチャうめぇ!」と声が響く中、魔理沙はあんこくさい部屋から逃げるように外へ出る。 「やれやれ、神奈子の苦労がよくわかるぜ」 以前、話していた時に、「早苗のゆっくり溺愛はどうにかならないか」と愚痴っていたのを思い出す。もしあのデカゆっくりがそのまま子供を産んでいたら、神奈子はもう我慢出来なかっただろう。 あんこ食ってるゆっくりを見て、早苗もゆっくりがどういう奴らか考え直したらいいが。 魔理沙はそのまま箒に跨ると、自分の家に向かって飛び去っていった。 後日、魔理沙が早苗に会いに行くと、周りにいたゆっくり達が早苗を怖がるように震えている。 早苗とゆっくりの間に何があったのか、魔理沙は触れようとしなかった。 End 最後まで読んでくれてありがとうございます。 何かいい虐待ネタはないかと考えていたら、レスに茎が生えていく以外の繁殖方もそろそろ読みたいとあったので、それじゃお母さんれいむのでかさをシンプルに妊娠として腹バットを書いてみた。 なんだかゆっくり虐待というより早苗いじめに(ry 不満はありますが、腹バットと愛しているから叩くという微妙にアンビバな心理状態が書けたのは個人的に満足しています。 しかしなんで俺は気づいたら姉妹だか家族だかのれいむを虐待してしまうんだろう、わからない。 本当に虐待したいのはれみりゃなんだけどな……。 by 762 このSSに感想を付ける
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「「「ゆっくりしていってね!!!」」」 もう日にちをまたぎかけている時間になってようやく自分の家に帰り着いた俺を迎えたのは聞きなれない声だった。 視線を落とすとそこには饅頭にも大福にも見える奇妙な生き物(?)がいた。 知っている…こいつらは最近幻想郷で大量発生し、田畑はおろか、民家に押し入って食料を勝手に食い漁る害悪生物だ。 友人も被害に遭い、散々な目にあったと愚痴っていた。 誰が初めに呼んだかは知らないが、「ゆっくり」という呼称で知られている。 いや、そんなことはいい。 何故俺の家にこいつらがいるのか、それが問題だ。 疑問はすぐに解ける。ベランダの窓が開きっぱなしだ。朝洗濯物を干したとき、うっかり鍵を閉め忘れていたようだ。そこから進入したのであろう。 「ゆ?」「おにいさんだれ?」「ゆっくりしようよ!!」等とゆっくりどもは口々にしゃべり出す。 見たところ親子連れなのか、母親らしき霊夢種が1匹いるほかは、魔理沙種も混じった子供が12匹ほどいた。 魔理沙種が混じっているのはおそらくつがいの魔理沙種がいたのだろう。いない理由はれみりゃ種にでも襲われたと言うところか。 まあいい、とっとと追い出すか、と思った矢先、俺は見てしまった。 俺の机の上には、たくさんの思い出の品があった。亡き母が生前使っていた手鏡、父が買ってくれた玩具、寺子屋の先生がくれたそろばん、 子供の頃、向日葵畑の怖いけど優しかったお姉さんがくれた押し花。 手鏡は投げて遊んだのか、壁に当たって粉々になっていた。 玩具も同様だ。もう原型が残っていないほど滅茶苦茶になっていた。 そろばんは今も子ゆっくり魔理沙たちが振り回している。振り回しすぎて折れたのか、珠がボロボロ落ちている。 押し花は餌になったのだろう、今も子ゆっくりがむしゃむしゃむさぼっている…。 「うっめ!めっちゃうっめ!ハフハフ!!!」 呆然と立ち尽くす俺の前に、母ゆっくりと残りの子ゆっくりが図々しくもやってきてこう言った。 「お兄さん、おなかがすいたよ!!ゆっくりごはんをもってきてね!!」 「ここはみんなのいえだよ!ごはんをもってこないお兄さんはでていってね!」 そのとき、俺の中で何かが切れた。 俺は怒りに任せ、母親ゆっくりを思い切り踏みつけてやった。 「ゆ”」短いうめき声が聞こえた。しかし俺は容赦する気はない。 何度も!「ゆ”」何度も!「ゆ”」踏みつけてやる!「ゆ”~~~!!!」 「も”う”や”め”て”ぇ”ぇ”ぇ”ぇ”」母ゆっくりがくぐもった声で悲鳴をあげる。最高の気分だ。 「お”か”あ”さ”ぁ”ぁ”ん”」「と”う”し”て”こ”ん”な”こ”と”す”る”の”ぉ”ぉ”」子ゆっくり共が泣き叫びながら訴える。 しかしそんなことは知ったことではない。思い出を無惨にも壊された俺の怒りはまだ収まらない。 子ゆっくりは母ゆっくりを助けるためのか、懸命に体当たりをしてくる。 「ゆっくりやめていってね!」「おじさんやめて!」「ゆっくりやめて!」 蚊ほども効かないがな。 その後も母ゆっくりを踏みつけたりしたが、そろそろ飽きてくる。それでもまだ収まらない。 その間も子ゆっくり達は母親を救おうと、体当たりを何度もしてきた。しかし魔理沙種はあろうことか、体当たりに飽きたのか 母親の危機なのにふてぶてしくも眠っている。なんてやつだ。 「ゆ、おかあさんたいへんなんだよ!!」「おきてよぉおお!!」と霊夢種が起こそうとしても「しつこいんだぜ!!」と取り合わない。 魔理沙種は生き残るためなら家族、親友でも見捨てるほどとは聞いたが、これは見ていて腹立だしいものだ。 母親を踏みつけたり叩きつけたりするのも飽きたし、俺はこの憎憎しい子ゆっくりの方も責めることにした。 もちろん、さっきから何度も体当たりをしてうっとおしい子ゆっくり霊夢の方も一緒に。 どうやって責めようかと考えたとき、あるものが目に映った。 それは以前、とある河童の発明家が製作して売っていた加熱装置だ。 左右に電熱線があり、中に食べ物を入れるとこんがりと焼いてくれるというものだ。 しかも中にはスライド板がある。これは温度調整のためにあるとか言っていたが、邪魔だったので普段は取り外していた。 しかしそれを見て俺に妙案がひらめく。ゆっくりどもを地獄に叩き落す妙案が…。 まず俺は母親ゆっくりをすぐそばにあったダンボールの中に閉じ込める。 「お兄さん、うごけないよ、ここからだして!!!」という声は無視だ。 さらに子ゆっくりを捕まえ、黒い袋の中に閉じ込める。霊夢種と魔理沙種は分けておく。 「くらいよー」「ゆっくりさせてよぉ!」「うごけないよ、ゆっくりできないよ!!」と騒ぐのも気にしない。 そしてその間に加熱装置のスライド板を取り付けることにする。 思ったより取り付けるのに時間がかかり、取り付けが終わったときにはゆっくりどもの騒ぎ声は聞こえず、寝息が聞こえる。 のんきなものだ…と思いながらも、寝ている今なら手間がかからないので、仕上げにかかる…。 翌朝。 「ゆ…」「ゆ、ゆっくりうごけるよ!」 6匹ゆっくり霊夢たちは目を覚ました。そこは昨日の暗くて狭い空間ではない。 狭いけどそこは立派な空間だ。十分余裕のあるところ。 母親や兄妹であるまりさがいないのはすこし気になったが、所詮は饅頭。今自分達があの恐ろしい人間の手を逃れたのだと思い、 その喜びを分かち合い、そして新しい自分達の家があることが嬉しかった。 「きょうからここがれいむたちのいえだね!」「みんなでゆっくりしよう!」 しかし、4面ある壁の一つ、ガラスの壁を見て、それはすぐに絶望に変わった…。 ガラスの壁の外、そこにはガラスケースに閉じ込められ、苦しそうにしている母ゆっくりの姿があったのだ…。 「お、おかあさーん!」「どうしてーー!!」「そんなんじゃゆっくりできないよーーー!!」 「おお、起きたかクソ饅頭ども」 その声を聞いたゆっくり霊夢たちは恐怖に震える…。そう、昨日母親を恐ろしい目に合わせた、あの人間の声だった。 そしてやっと気づく。この空間には出口がないということに。自分達はこの人間によって閉じ込められたということに。 「た”し”て”! た”し”て”よ”ー!!」「お”う”ち”か”え”る”ー!!」 霊夢たちは必死だった。必死で訴えた。懇願した。 「うるさい!!!」人間が大声で叫び、大きな衝撃を与えてきた。霊夢たちは恐怖で震え、何もいえなくなった…。 と、壁の向こうから何か聞こえてくる… 「ゆ……」「ゆ、ゆっくりうごけるんだぜ!!」 それは兄妹であるまりさの声だ。壁の向こうにいるのか、壁に向かって叫ぶ。 「ま、まりさーー!!」「そこにいるのー!?」 「れ、れーむ!?」「ここはどこ!?」「わたしたちたすかったの!?」「よがっだね! よがっだね!」 間違いない、壁の向こうにはまりさがいる。安堵するゆっくり霊夢。 「まりさも起きたか…ちょうどいい」人間の声がしてビクッ!と反応する。 「お、おかあさーん!」「た”し”て”! た”し”て”よ”ー!!」「お”う”ち”か”え”る”ー!!」 ガラスの外の光景に気づいたのか、まりさ側からも恐慌の声が聞こえてきた。 そしてまた衝撃を与えられ、静かになる。これから何が起こるのか、恐怖が蘇り、震えだす…。 「いいかお前ら、俺は優しいからどちらかだけおうちに帰してやる。」 その声を聴いた瞬間、まりさ側から大きな声が上がる 「ま、まりさだけをたすけてくれだぜ!!」「れいむなんかたすけなくていいよ!!」「まりさだけゆっくりさせてね!!」 信じられないという顔をする霊夢たち、そう、霊夢たちは知らなかったのだ。 まりさは生き残るためなら家族でも見捨てると。 「や”、や”た”ーーーーー!!」「た”し”て”! れ”い”む”た”ち”を”た”し”て”よ”ー!!」 たちまち恐慌に陥る子ゆっくりたち。醜く言い争うその姿は、とても家族には見えなかった…。 と、とたんに部屋が暖かくなってきた。 「ゆ?あったかくなってきたよ!ゆっくりできるよ!」と先ほどの恐慌を忘れてのんきにはしゃぐゆっくりたち、 しかしそれも2分もすると… 「ゆ?あっあついよ!!」「あつい、あついよーーー!!」「あついぜあついぜ、あつくてしぬぜ!!」 部屋の温度が急上昇し、とても耐えられる温度ではなくなったのだ。 逃げ場をなくすゆっくりたちに、外から人間の声が聞こえる。 「いいかゆっくりども、俺は焼き饅頭が食べたいんだ。どっちか片方だけを焼いて食べることにした。 さっきも言ったが片方だけは助けてやる。その壁を押せば相手を焼いて自分は助かるぞ。さあ、頑張ることだな」 その声を聞いたとたん、まりさたちはいっせいに壁を押し始める。 「れいむはゆっくりしね!」「まりさたちはゆっくりさせてもらうんだぜ!!」「ゆっく、さっさとしね!!」 そして壁を押され、熱源に近づいてしまった霊夢たちはその身を焼かれることとなる。 「あ”ち”ゅ”い”よ”お”お”お”お”お”お”お”!!!」「た”す”け”て”え”え”え”え”え”え”!!!」 「や”へ”て”え”え”え”え”え”え”!!!」 まりさはその声を聞いて勝ち誇り、壁から離れる。 すると今度は反撃とばかりに、霊夢たちが壁を押し始める。 「ひっく、まりさはゆっくりしね!!」「まりさなんてゆっくりやかれてね!!」「れいむたちをゆっくりさせてね!!!」 そして今度はまりさたちがその身を焼かれる。 「い”や”あ”あ”あ”あ”あ”!!!!」「た”し”け”て”え”え”え”え”え”!!!!」 霊夢は仕返しが終わったと思い満足し、壁から離れる。 すると今度はまりさのほうが反撃とばかりに壁を押し始めるのだ。 まりさが壁を押して離れ、れいむが壁を押して離れ、そしてまりさが、れいむが…… この争いはいつまで続くのだろう…… 「くくく…うまくいってるな……」 俺は醜い争いを続ける子ゆっくりどもをみて笑う。なんとも楽しい気分だった。 昨日の夜のうちに、俺は加熱装置の中に子ゆっくりどもを閉じ込めた。 もちろん、今起きているように霊夢とまりさは分けて。魔理沙種は生き残るためなら(ryので、この状況のために分ける必要があったのだ。 平然と霊夢を見捨て、壁を押し出すまりさ。それに触発、あるいは必死で生き残ろうと壁を押し返す霊夢。 何もかも完璧だ。家族といいながらもそれを見捨て、醜い争いを演じる饅頭どもを見て俺は気分が晴れていた。 そして俺の傍らには、ガラスケースがある。 そう、中には母親ゆっくりが閉じ込めてある。朝のうちに用意したのだ。 母親ゆっくりは涙を流している。わが子を助けてあげたいのだろう。だが口も昨日の内にホチキスで止めてあり、くぐもった声しか出せず、 俺に助けを請うこともできない。身動きの取れない状態で、わが子が醜くも殺しあう光景を見せ付けられるしかないのだ。 俺はさっき、片方だけ助けるといったがもちろんそんな約束守る気などない。 生き残った方も焼き饅頭にしてやるのだ。それも母親の目の前で。 俺はわずかな希望をも打ち砕かれたとき、母親ゆっくりがどんな顔をするかを想像し、なんともいえない快感を感じた… FIN
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※舞台は何故かゆっくりが当然のように存在している外界です。 ※オリ設定満載です。 数年前に突如現れ、急速に社会に浸透していった(ような気のする)ゆっくりと呼ばれる謎の生物。 人間の生首が膨張したような容姿のそいつらは饅頭のクセに生きていたり、どこから来たのは全く不明だったりとあまりに謎が多すぎるゆっくり達。 が、目新しいものや珍しいものを好む人々はその「ゆっくりしていってね!」とか「ゆーっ!」などと珍妙な鳴き声をあげる未知の存在をあっさりと受け入れた。 そして俺はそんな不思議に満ちた生命体の研究や飼育用の商品の開発に携わっている“ゆっくりカンパニー”のしがない一社員だ。 今日はある町の住民の知らせを受けて町の近くの山に分け入って、野生のゆっくりの駆除に向かった。 もっとも、厳密に言うと駆除というよりも間引きに近いのかもしれないが。 装備は標準的な登山グッズとゆっくりに取り付ける発信機兼集音マイクが5つ。 加えてゆっくりを眠らせるための睡眠薬入りの飴玉が50個ほど。それとちょいと大きめの饅頭がゴミ袋の中に入れられている。 「先ぱぁい、なんでこんなクソ暑い中、野生のゆっくり探しなんて・・・「仕事だからだ!」 「あと、男が「ぱぁい」とか使うな、気持ち悪い!それが許されるのは可愛らしい女の子と我らが紫社長だけだ」 不勉強な後輩の研修も兼ねて、男2人でゆっくりが住んでいると言われる山を登っていく。 もっとも、ゆっくり学はまだ始まったばかりの学問で認知度は低いし、ゆっくりカンパニーの社員の8割は美人社長目当てなので野生種の保護の必要性が理解できなくても仕方ない。 だから不勉強を咎めるつもりはないが、近隣住民から集めた目撃情報をもとにゆっくり達の出没箇所をマークした地図と睨めっこしながら俺はため息をついた。 咎めるつもりはなくてもいちいち説明するのを煩わしいと思ってしまうのはどうしようもない。 「はあ、仕方ない・・・ゆっくりはな一定数以上になると何故か突然増長するんだよ。で、人間の町に下りて来る」 「で、ゆっくりによる被害がでるんですね?」 「そうだ、ゆっくりの死体が転がって町が汚れる。だからこういう知らせを受けたときにはゆっくりを保護するんだよ」 「保護?ゆっくりンピースにでも預けるんですか?」 「馬鹿言え。餡子が新鮮な赤ゆっくりは持ち帰る。にんっしんゆっくりも研究用に持ち帰る。特殊な個体は持ち帰る。他の連中は必要なら速殺す」 「速殺す?」 「・・・お前、ちょっとは自分で勉強しろよな。・・・・・・っと、ゆっくり発見」 その言葉を合図に、俺と後輩は身を低くして草むらの中に隠れた。 俺達の前を通り過ぎるゆっくりの一団の数は4匹。内訳はまりさ、れいむ、ありす、ぱちゅりーとなっている。 全員が比較的多量の食料を咥えており、またみんな満面の笑みを浮かべていた。 「ねえ、まりさ!むれもだいぶおおきくなったね!」 「むきゅ!これもまりさのかりすまのおかげよ!」 「ゆ!あたりまえだぜ!」 「でも、そろそろあのおうちじゃせまくなってきたわよ!もっととかいはなおうちをみつけないと!」 赤ん坊はピンポン玉、子どもは野球のボール、成体はバレーボールサイズが一般的だ。この4匹は全員バレーボールサイズ、つまり成体である。 その一団が目の前を通り過ぎていったのを確認すると、木陰に隠れながら追跡を開始した。 「追うぞ」 「りょーかい。しかしあの饅頭鈍くさいっすねぇ・・・」 「まあ、時速900mだからな・・・」 大抵の生き物の歩行は一歩目のエネルギーの何割かを二歩目に利用するが、ゆっくりの場合一部の種を除いてそれを一切しない。 そのせいで恐ろしく無駄と負担が多いのだ。余談だが、這って移動する場合は時速200mというカタツムリ級の鈍足だ。いや、体の大きさを考えるとそれ以下か。 が、そんなことを愚痴っても仕方がないので、それ以上は何も言わずに淡々と4匹を追いかけていった。 その4匹を追いかけていった先にはゆっくりの集落があった。 さっきの4匹を除くと、目に付く限りでは赤ん坊が9匹、子どもが10匹、成体が11匹の計30匹。 そして、成体のうち4匹が植物型のにんっしんをしていた。 植物型出産はにんっしんから僅か3日で出産を向かえ、生まれる子どもの数は1回につき大体10匹前後。 あれら全てが生まれればこの群れの人口は50匹を軽く超える。そうなれば変な自信をつけて人里に下りてくる可能性が十分にあった。 「先輩、あいつら集まって何してるんですかね?」 「聞いてりゃ分かる。少し静かにしてろ」 出来の悪い後輩を睨みながらも、俺はゆっくり達の言葉に耳を傾ける。 群れの中心にいるのはさっきの4匹。その中でもリーダーはまりさのようだ。 「むきゅ、みんなゆっくりはなしをきいてね!」 4匹を取り囲んで、がやがやと騒がしくしていた群れのメンバーがぱちゅりーの鶴の一声で静まり返った。 そして、その静寂の中、まりさが(ゆっくりにしては)重々しく口を開く。 「みんな!いまにんっしんしているこがうまれたらここではたべものをあつめきれなくなっちゃうよ!」 いまいちことの深刻さを理解できていない赤ゆっくりは「ゆぅ?」と首をかしげているが、他のゆっくりたちは固唾を呑んでまりさを見つめる。 「だから、あかちゃんたちがうまれたらにんげんのまちをゆっくりぷれいすにするよ!」 「「「みんなふあんかもしれないけど、これだけのなかまがいればだいじょうぶだよ!」」」 「「「「「「「にんげんのまちならもっとゆっくりできるね!!!」」」」」」 恐るべき集団心理。もしくは無知の幸福とでも言うべきか? まりさの宣言を聞いたゆっくりたちはにわかに活気付き、口々に人間の町を手に入れた後のことを話し始めた。 「あんな事言ってますよ?」 「仕方ないさ。野生のゆっくりには人間もいちいち干渉しないし、不味いから他の生き物に食われることも少ない」 「ああ、要するに怖いもの知らずなんですね」 まりさたちの言葉に苦笑する俺と後輩。しかし、この群れが人里に出ようと考える規模になっているならさっさと用事を済ませなければならない。 俺は段取りを考えてから、リュックに入れておいた睡眠薬入りの飴玉を取り出し、後輩にも目配せで自分に続くように促した。 「そういうことだ。それよりも・・・さっさと済ませるぞ」 「りょーかい」 指示と同時に、円陣を組んでいる群れの中に50個の飴玉を景気良くいっぺんに放り投げた。 「ゆ!なにこれ!?」 「いだい!いだいよ!」 「ゆっきゅりーーー!!」 「いったいなんなんだぜ!?」 「むきゅうーーー!!」 突然の飴の雨に群れは瞬く間に混乱に陥った。 ゆっくりの脆い体にとって飴は相当の硬さを誇るもの。 それらが50個もいっせいに降り注げば当たって怪我するものだっているし、考えなしに飛び跳ねて踏んで転ぶものもいるだろう。 が、群れの中に1匹だけ飴を知っているものが居たらしい。 「ゆゆっ!これはあめだわ!あまくておいしいとかいはなものよ!」 その一言で場の混乱が恐怖から食欲によるものにすり替わった。 「あまいのはぜんぶまりさのものだぜ!」 「ゆー!ゆー!」 「でいぶもあばいのほぢいよおおお!!」 「むきゅー!あまいものはかしこいぱちゅりーのものよ!」 全員の頭数より飴のほうが多いにもかかわらず群れは言い争いを始めてしまった。 さっきまでの結束力は一体なんだったんだか。 「ゆ!ゆっくりしていってね!!!!」 「「「「「「「「「「ゆっくりしていってね!!!!!」」」」」」」」」」」 そんな混乱のさなかに響き渡ったのはリーダーまりさの怒声。 本能に刷り込まれたその言葉は一瞬ながらも間違いなく全員の興奮と熱狂を鎮めた。 「みんな!いまはけんかしてるばあいじゃないでしょ!」 「「「そうだよ!まりさのいうとおりだよ!」」」 まりさと、それに続く参謀格のゆっくり達の叱責。 実は混乱の火付け役になったのは参謀格のありすだったりするのだが、そんな事は誰も気にしていない。 「みんな、あめはひとりひとつずつだよ!わかったね!」 有無を言わさぬリーダーまりさの剣幕によって、ゆっくりたちは完全に冷静さを取り戻した。 ・・・しかし、誰も飴が降ってきたことに疑問を持たないのはさすが餡子脳と言ったところ。 「む~しゃむ~しゃ、しあわ・・・ゆぅ・・・ゆぅ・・・」 「早っ!?」 「突っ込むな。起きたらどうするんだよ?」 睡眠薬入りの飴を食べたゆっくりたちはあっという間に眠りについた。 しかも、まりさが音頭をとっていっせいに食べたためものの見事に全員が一斉に。 「で、先輩。結局何を回収するんですか?」 「ゆっくりの頭の茎とにんっしんゆっくり。それと・・・リーダーまりさもだ。それが済んだら参謀3匹と適当な大人に発信機をつける」 「りょーかい」 後輩はポケットからナイフを取り出すと、茎を生やしている1匹のれいむに近づき、少しだけ茎の根元の皮を抉った。 茎にはようやく種族の区別がつくようになってきた赤ちゃんが12匹ほど成っている。どうやらパートナーはぱちゅりーだったらしい。 まだ成体になり立てと思しき若い母は幸せそうに「あかちゃ~ん」などと寝言で呟いている。 その言葉にしかめっ面をしながらも後輩は茎をきれいに引き抜くと、ゴミ袋の中の饅頭にそれを突っ込んだ。 「あんまり気分の良い仕事じゃないっすね・・・」 「仕方ないさ。本当はもっと頭数を減らしたいところなんだが、それをしないのが俺たちが出来る最大限の譲歩だろ?」 そう言いながら、俺はゆっくり達も気付いていない初期段階にんっしんのゆっくりを3匹ほどゴミ袋の中に放り込んだ。 「ん~、先輩って案外ドライなんですね」 「仕事だからな」 後輩の無駄話に付き合いながらもリーダーまりさを回収する。って、こいつも何気ににんっしんしてるじゃないか。 「ふ~ん・・・でも、先輩ゆっくり飼ってませんでしたっけ?」 「こいつらは俺のペットじゃないし、そもそもそれとこれとは話が別だろ?」 それから、参謀格の3匹と、比較的大きな成体の頭の飾りに発信機を装着した。 「よし、作業完了。ちょっと様子を見てからずらかるぞ」 「・・・ずらかるって、なんか悪党みたいっすよ?」 律儀に突っ込んできた後輩にローキックを入れつつ、ゴミ袋に放り込んだゆっくりの口に散乱していた飴を放り込んでから再びさっきの木陰に隠れた。 「ゆ!みんな、おはよう!ゆっくりしていってね!」 一番最初に目を覚ましたのは参謀格のれいむ。 「「「「「「「ゆっくりしていってね!!!!」」」」」」」 その言葉に反応して他のゆっくり達もいっせいに目を覚ました。 「「ゆゆっ!まりさがいないよ!」」 「「「ゆっきゅち~・・・!」」」 「ゆぅうううう~・・・おか~しゃん、どこ~?!」 「おねーちゃん!あかちゃんたちが!?」 「ゆ?ゆゆゆっ!?でいぶのあがぢゃんがあああああああああ!!」 目を覚ましたゆっくり達を待ち受けていたのはリーダーや仲間と可愛い赤ちゃん達の失踪だった。 そして、その場にいる全員が好き勝手に各々の大事なものを探し始める。 全くの無秩序。ぱちゅりーが必死に「むきゅ!みんな、まずはだれがいないかかくにんよ!」と真っ当なことを言っているが、誰の耳にも届いていない。 しかも、他の参謀格2匹さえも他のゆっくりに混ざって必死にまりさを探している始末だ。 「まりさああああ!どごなのおおおお!」 「おがーぢゃあああああああああん!」 「「「「ゆっきゅち~!」」」」 「まりざのあがっぢゃんがあああああああああああ!!」 群れが混乱しきっている様子を見届けると、俺たちは足早にその場を後にした。 上司に報告を済ませた俺はさっさと自分の担当する実験に取り掛かる。 今回の実験は植物型と胎生型の出産に関するもので、ゆっくりにとって有害なものを検証するために行われるそうだ。 実験方法は至って簡単。茎を挿した饅頭に無駄に強力な農薬を大量に混入したり、栄養が届きにくいように茎を傷つけたり、水分や糖分を異様に多くしたりする。 もしくは母体に定期的に肉体的または精神的苦痛を与えてストレスを加えたり、毒も同然のものを食べさせたり、栄養を過剰摂取させたりする。 今回の実験に使用するゆっくりは先ほど回収した茎4本とにんっしんゆっくり4匹だ。それぞれにA~Dのアルファベットをつける。 茎Aは非常に整った環境で、非常にバランスの良い栄養配分の饅頭に挿した。 そして、この茎からは当然のように非常に健康的な赤ちゃんが生まれた。 れいむ種6匹とぱちゅりー種5匹。不運にもぱちゅりー種が1匹だけ死産してしまったが、それ以外はみんな非常に元気な、ゆっくり風に言うならばゆっくりした赤ちゃんだ。 俺がその赤ちゃんの入っているケージの蓋を開いて様子を伺うと、その気配に気付いた1匹のれいむが満面の笑みを浮かべた。 「ゆっきゅりちちぇっちぇね!」 「「「「「「「「「「ゆっきゅりちちぇっちぇね!」」」」」」」」」」 「ああ、ゆっくりしていくよ」 そんな赤ん坊達のケージの中にゆっくりカンパニー製ベビー用ゆっくりフードを入れてから蓋を閉じた。 「11匹か。それだけいりゃ次の実験の経費が節約できるな」 俺の傍らで、同僚がそんなことを呟くのが聞こえたが、無視して、中の赤ん坊達の様子を伺う。 「ゆ~・・・」 「ゆゆゆ~」 「ゆぅ!」 体の弱いぱちゅりーはみんな大人しくしていた。 ひとりお昼寝をするものもいれば、仲間同士で話しをするものもいた。 「「ゆっきゅちー!」」 「ゆっ!ゆっ!」 一方のれいむ達は元気に跳ね回りあるものは仲間とじゃれあい、あるものは仲良く歌を歌っている。 仲間と一緒にいることが当然になる前に別のケージに移すのが実験用ゆっくりの扱いのセオリーだ。 しかし、孤独にどう向き合うかを研究するのなら、こいつらはもう少しだけみんなで一緒に居させても良いんじゃないだろうか? 茎Bは一部を抉ってから包帯で固定して再生しないようにした状態で饅頭に挿した。 この茎からは意外なことに面白い結果が出た。 健康な個体は3匹で、その内訳はまりさ2匹にありすが1匹。未熟児が4匹は双方が2匹ずつ。そして個体識別不可能なものが2匹。 ここまでは予想通りの結果だった。全員の栄養が不足するのか、栄養が一部の個体に偏るのか・・・予想されていた結果通りのものだったといえる。 未熟児は殆ど喋らないし動かない。個体識別不能なものはすぐに死んだ。しかし、面白いのは健康な個体の行動だ。 ケージの蓋を開けて餌をばら撒いてやると、未熟児として産まれたもののために餌を噛み千切って口移しで与えてやっていた。 「ゆ、ゆっきゅちー!」 「ゅぅ・・・ゅぅ・・・」 未熟児サイズのゆっくりは非常に小さくビー玉ほどの大きさしかないため、ベビー用のゆっくりフードでさえ食べられないのだ。 しかし、生まれたてのゆっくりに自分より弱い個体を助けるなんて概念があるとは思わなかった。 とは言え、餌を与える側も所詮は赤ん坊。しかも、未熟児よりも頭数が少ないのだ。 やがてまりさ種の1匹が未熟児のために餌を千切ってあげるのを放棄し、もう1匹のまりさもそれに追従した。 「ゆ!ゆぅぅ~・・・」 「「ゅぅ・・・」」 「「ゅ・・・ゅゅ・・・」」 それでもしばらくはありす種が1匹で世話を続けていたが、やがて弱っている個体を切り捨て、最後にはありすも未熟児の世話を放棄した。 茎Cは大量の農薬を混入した饅頭に挿した。 子供が産まれたその日、ケージの中は魔境と化していた。そこに居たのは9匹の異形。 あるれいむは足が半透明のゲル上になってしまっていた。これでは歩くこともままならない。 あるまりさは目が顔の中心に1つしかなかった。そして、その目は何も映さなかった。 あるまりさは口がなかった。成長を見守るためにチューブをつないで生きながらえさせたが、野生ならばすでに死んでいただろう。 あるまりさは「ゆっくり」と言うことができなかった。口を開けば「qs、dんぢmgy、、wddg」と聞き取ることの出来ない訳の分からない音声を発するだけだった。 あるれいむは目が顔の横についていた。正面から見ればのっぺらぼうのその子は正面を視野に納めることが出来ないのでまっすぐ歩くことが出来なかった。 あるれいむは背中にも顔がついていた。だからと言って何があるわけでもないが実に不気味だった。 あるまりさは体が柔らか過ぎて大福としての形を保てなかった。まるで子供のころに作ったスライムのようだ。 あるれいむは体が異様に硬かった。そのせいで歩くことはおろか体を上下させることもままならず、口も殆ど動かなかった。 あるれいむは口が異常に大きかった。そして口以外のものがなかった。口だけの饅頭が狂ったように「ゆっくり」を連呼していた。 目の見えるものは他の姉妹の姿に怯えていた。でも、自分も似たようなものだと言うことには気付こうとしない。 「ゆ!ゆっきゅちー!ゆー!」 「ゆっきゅり!ゆっきゅり!ゆっきゅり!ゆっきゅり!」 顔2つの赤れいむが狂ったように口だけのれいむに体当たりをしている。 きっと、その化け物を追い払おうとしているのだろう。でも、傍目にはどっちも化け物だった。 どれもまともに育つ可能性があるとは思えないが、奇形の生存可能性を検証するのも研究になるだろうか、と思った。 茎Dは塩分を過剰に投入した饅頭に挿した。 産まれた子どもの大半は形はまともだった。そして、死産したのは4匹だけ。 10匹中6匹が何とか誕生したというこの結果には俺以外の研究員も驚きを隠せなかった。 もっとも、まともだったのは形だけだが。 まずゆっくりの形をした6つの饅頭は言語中枢が完全に狂ってしまっていたいた。 口を開けば聞こえてくるのは薄気味悪いノイズ。 「「「、。jsbん。、fdghrdmじdsんmdms」」」 「xcんm、。zx、smyんfjwめ、」 「「えgkdtcjrcldtr、いcvf」」 そして、1匹たりともゆっくりらしい心を持ったものが居なかった。 あるありすは生まれたてであるにも関わらず日長一日壁に体をこすり付けて自慰行為にふけっていた。 あるぱちゅりーは眠ることをせず、食事の時さえもずっと言葉にならない何かを発し続けていた。 あるありすはいつも何かに怯えてがたがたと震えていた。そして、近づいた姉妹を片っ端から攻撃していた。 あるぱちゅりーは何かにつけて姉妹を食べようと後ろから襲い掛かっては追い払われて、「むきゅ!」と悲鳴を上げていた。 あるありすは突然泣いたり、怒ったように頬を膨らましたり、酷く情緒不安定だった。 あるありすは自分のことをぱちゅりーだと信じ込んでいた。こんな狂った家族の中では誰も間違いを指摘してくれなかった。 俺は今度は糖分や水分だとどういう結果が得られのかも検証する必要があるな、と酷く覚めた目でその様子を眺めていた。 母体Aは広い部屋の中で普通の餌を食べながら生活してもらった。 産まれた3匹の子どもはどれもちゃんと子供サイズ近くまで大きくなっていて、みんな非常に元気だった。 「ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりちていってね!」」」 俺がケージを覗くと、母れいむは満面の笑みを浮かべて話しかけてきた。 「ねえ!みてよ、おにーさん!れいむのあかちゃんだよ!とってもゆっくりしたこだよ!」 「ああ、そうだな。ゆっくりしていってね!」 「「「ゆっくりちていってね!」」」 あの日、回収したゆっくり達は「野犬に襲われているのを助けた。見つけたときには君だけだった」と言ったらそれを簡単に信じて、俺になついた。 「よし、それじゃあ、赤ちゃんたちにお兄さんから美味しいお菓子をあげよう!」 「ゆ!ほんとうに!」 「ああ、本当だよ。でも、ここじゃ食べられないから、ちょっとケージから出てもらうよ」 「「「ゆ~!ゆっくちたべるよ!」」」 そういって俺が赤ちゃんを連れて行くのを、母れいむはニコニコと微笑みながら見守っていた。 そして、このれいむが赤ちゃんと会うことは二度となかった。 母体Bは口の部分だけ開いている透明な箱の中で普通の餌を食べながら生活してもらった。 この母ぱちゅりーの子どもは1匹しか生まれなかったが2匹生まれたとも言える状態だった。 いわゆるシャム双生児のようなものだろうか。その赤ちゃんは体と口の横幅が異様に大きく、目が3つあった。 そして、髪の毛は真ん中の目を境に右側がまりさ種のもので左側がぱちゅりー種のものになっていた。 「「ゆっくりしていってね!」」 2つの種の声が同時に聞こえてくる。声帯も少しおかしなことになっているのだろう。 それは、箱によって圧迫され、赤ちゃんがそれ以上大きくなる余地が残されていなかったために起きたものだった。 「やあ、ぱちゅりー。赤ちゃんはどうしたんだい?」 出産時には箱から出さねばならないので、当然俺は出産に立ち会っている。 「むきゅ、おにーさん!ぱちぇのあかちゃんはまだぽんぽんのなかよ!」 そして、中にこれ以上赤ちゃんが居ないこともしっかり確認している。 しかし、ぱちゅりーは中にまだ赤ちゃんが居ると思っている。 それは体も心も弱いぱちゅりーにとって独りっきりになってしまった上に普通の赤ちゃんを産めなかった絶望から身を守るための手段だった。 そう、この奇形の赤ん坊は母親に見捨てられてしまったのだ。 ケージを閉じたところで、後輩が「そいつ、最近箱から出せって言いませんね?」と尋ねてきた。 「箱から出たら気味の悪い赤ちゃんに触られるかもしれないからだろ?」 とりあえず、苦笑交じりにそう返しておいた。 母体Cは遠隔発火のライターを内蔵し、定期的に痛い目にあってもらった。 唐突の訪れる痛みにいつも怯え続けて眠ることもままならなかった元リーダーまりさも子どもは、全員異様に小さかった。 「「「ゆっきゅりちちぇっちぇね!」」」 「ゆっくりしていってね!」 茎から生まれるタイプと大差ない大きさながら元気いっぱいに鳴く赤ちゃんたちに疲れきった表情で微笑むまりさ。 とは言え、全員これと言った異常もなく出産できたことを考えるとゆっくりはストレスに強いと見てよさそうだ。 多分、餡子脳だからだろう。 「ゆ~!」 「ゆっ!ゆっ!」 「ゆ~ゆ~ゆ~♪」 ケージの蓋を開けて、子どもたちが遊んでいる姿を眺めているまりさに話しかける。 「やあ、まりさ」 「ゆ!おにーさん!」 「とってもゆっくりした子だね!」 俺のその言葉を聞くと、まりさは少しだけ踏ん反りかえって、嬉しそうに笑う。 「まりさ、がんばったよ!」 「そうか。お疲れ様」 「おにーさん、ありがとう!」 その言葉に少し良心が痛んだが、すぐに思考を仕事優先に切り替える。 「まりさの子どもに美味しいお菓子をあげたいんだけど、ここじゃ食べられないんだ。だから少しだけ連れて行って良いかな?」 「ゆ!おにーさんならいいよ!でも、すぐにつれてかえってきてね!」 「分かってるよ。さ、おちびちゃんたち?おにーさんと一緒にゆっくりお菓子を食べに行こうか」 母親同様に俺のことを信頼しきっている赤ん坊たちは、何の疑いもなく手の上に乗ってきた。 「悪いけどまりさの分はないから、ここでゆっくり待っててくれ?」 「ゆゆっ!わかったよ!ゆっくりまってるよ!」 そうして、この元リーダーまりさは永遠にゆっくりと赤ちゃんの帰還を待ち続けた。 母体Dは廃油や産廃同然のものを餌にして生活してもらった。 しかし、茎Cと全く変わらない結果にうんざりさせられるだけだった。 予想通りの上に、頭数が少なく新鮮味もないこの結果を記録する気にもなれなかった。 ---あとがき--- スレに書き込めねえよ、ちくせう。 奇形を産ませておいてつまらない結果にうんざりってのは虐待お兄さん以上にアレだと思う。 普段は基本的に優しくても仕事のときは一片の慈悲もなし。まさに、冷徹お兄さんですよ。 そんなこんなで、現代ゆっくりシリーズの3作目です。 野良ゆっくりとその末路の一部を書いたつもりですが・・・あー、文章力が欲しいorz byゆっくりボールマン このSSに感想を付ける